拘束された際のデマなどを指摘する安田純平さん=5日夜、那覇市古島の教育福祉会館 画像を見る

 

内戦下のシリアで約3年4カ月拘束され、昨年10月に解放されたフリージャーナリストの安田純平さんが5日、沖縄県那覇市古島の教育福祉会館で講演した。約350人が訪れた。

 

安田さんは戦地での取材の必要性や拘束された経緯などを紹介。拘束された際に臆測やデマが広がり、それが今も訂正されていないとして「デマがデマを呼び、人質にされる危険性がある」と警鐘を鳴らす。

 

安田さんはあまり知ることのできない戦地の情報を伝えようと、イラク戦争の現場を取材した。ただ、戦地を訪れる人に紛れたスパイ活動が横行していたことから、武装勢力にスパイ容疑で拘束されてしまいメディアには「人質」として扱われた。

 

インターネットに当時の情報が残り「日本は身代金を支払って人質を解放した」との誤った見方をされたという。そのため、シリア内戦の取材で訪問先を間違って武装勢力に拘束された際に、身代金が支払われる「人質」だと思われてしまったという。

 

その中で、武装勢力に動画を撮影されて言われるままに「韓国人だ」と言うとネットでは「在日だ」とたたかれたことなどを疑問視。ワイドショーなどでデマが広がり、バッシング世論が作られ、誤った情報で日本人が人質にされる状況が助長されているとの見方を示した。

 

その上で、正確な情報の重要性を指摘。社会の発展のためには「誰も知らないものを見ている人がいるから新しいものが見つかる」と、戦場などあらゆる場所での情報を伝える存在が必要だと強調した。

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