辺野古の2工事見送り 防衛省 軟弱地盤対応を優先
工事が進む名護市辺野古沿岸部=2019年12月8日、米軍キャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)

 

【東京】沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡って、防衛省は2019年度予算に計上していた米軍キャンプ・シュワブ内の河川切り替えなど2件の工事を見送ることを決めた。軟弱地盤の改良工事を先に進める必要があるため。見送る分の予算は、米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)の移転候補地となっている鹿児島県・馬毛島(西之表市)の用地取得費(160億円)に回す。軟弱地盤改良に伴う設計変更について県は承認しない方針を示しており、2工事の着手時期も見通せない状況だ。

 

見送る工事は、埋め立てにより河口がふさがれる美謝川の水路切り替えと、辺野古ダムで採取した埋め立て土砂を運ぶベルトコンベヤー設置の二つ。いずれも名護市長との協議が必要となり、防衛省は辺野古移設に理解を示す渡具知武豊市長との協議に向け、関連経費を計上していた。

 

2工事は大浦湾側で予定されていたが、軟弱地盤の判明で地盤改良の対応を優先せざるを得なくなり、19年度予算に計上した関連経費約125億円の執行は見送る。防衛省の担当者は「(地盤改良に必要な)変更承認を県から得られてからということになる」と説明した。

 

一方、政府は19年11月、東京都の開発会社が99%を所有する馬毛島(約820ヘクタール)の土地を160億円で取得することで大筋で合意した。辺野古の工事も馬毛島の整備も在日米軍再編経費に当たり、防衛省はこの枠内で使わない分を流用することで馬毛島の用地取得費を捻出。19年12月時点で6割以上を国有地化した。

 

ただ、政府は当初、馬毛島の買収額として45億円を提示しており、3倍以上に膨らんだ売買額には不透明な部分が多い。政府が19年12月に閣議決定した答弁書では「土地の購入に向けた手続きに支障を及ぼすおそれがある」として積算根拠を明らかにしておらず、予算計上についても国会審議を経ないまま用地取得が進んでいる。

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