やまねこマラソン会場に設置された臨時の「給水どころ」で、MMOから配布されたオリジナルマイボトルに給水する子どもたち=8日、竹富町西表島の上原小学校 画像を見る

 

【西表島=竹富】マイボトルで水を飲みませんか―。世界自然遺産候補地の竹富町西表島で、マイボトルの利用を進めてペットボトルごみを減らそうという取り組みが広がっている。「マイボトルで水おかわり!西表島」、略して「MMO」。島内各地に誰でも無料で水の提供を受けられる「給水どころ」を設け、のどが渇いた時にペットボトル飲料を買わずに島で過ごせる仕組みをつくる住民主導のプロジェクトだ。メンバーはアイデアを武器に「ペットボトルを買わなくても、捨てなくてもいい島」を目指す。

 

「給水どころ」はプロジェクトに賛同した民宿や事業所などの店舗で、容器を持っている人に水を無料で提供してくれる場所。MMOメンバーの一人で、自身が営む宿で水を提供している森村レイさん(39)は「マイボトルではなく、空のペットボトルでも大丈夫ですよ」と笑顔で利用を呼び掛ける。

 

ペットボトルごみを減らそうと、プロジェクトが始まったのは2018年12月。メンバーが店舗に趣旨説明や協力依頼を重ねた結果、当初、島東部の3件のみだった給水どころは、島全域の55カ所にまで増加した。

 

MMOの認知度を高めようと、19年度は県の補助金で作成したマイボトルを島の全小中学生に配布するなどの活動を行ってきた。島でのマイボトル利用率向上のため、今後は観光客など島外へのアピールを強化したいと取り組んでいる。

 

そのため現在、MMOの紹介やマイボトルの持参を呼び掛けてくれるガイド事業者などの「ナビゲーター」も募集しているほか、活動資金確保の目的も含めて企業との連携も模索している。

 

森村さんは「自分たちの島でもできるんだというモデルケースになれるよう取り組みたい」と力を込めた。 (大嶺雅俊)

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