M-1覇者「ミルクボーイ」が明かす沖縄での少年時代からコーンフレーク愛まで
3歳から13歳まで沖縄在住、那覇市立松川小学校を卒業した駒場孝さん(左)。駒場さんの思い出話を目をキラキラさせて聞いていた内海崇さん。漫才師としてのさらなる活躍が期待される中、時々は沖縄に帰って来てほしいですね。

 

いま最も多忙で、最も注目されているお笑いコンビではないでしょうか、ミルクボーイ。2019年末に開催された漫才師の頂点を決めるコンテスト、「M−1グランプリ」で優勝。コンテスト史上最高得点を叩き出し、新スタイルともいえる掛け合いで拍手喝采を浴びました。お母さんが物忘れをするマッチョな駒場さんと、角刈りで昔ながらの漫才師風な内海さんは見た目も漫才もインパクト大! 時の人である2人がなんと沖縄に来たのですが、駒場さんは子どものころ那覇市内に住んでいたそうで・・・今までになかった、沖縄度数高めのインタビューです。

聞き手:饒波貴子(フリーライター)

 

コーンフレークは憧れの朝食

 

ー「M-1グランプリ2019」優勝、おめでとうございました! 実感している毎日ですか?

 

内海:「グランプリ取ったんや~」って毎日起きるたびに思いながら1日が始まります。劇的に変わり過ぎたんですよ。これはもう僕らにしか分からない感覚です(笑)。僕らは大阪市天王寺区の「住みます芸人」として活動していますが、12月の頭までそこのおばあちゃんたちと一緒にホットケーキ作っていたんですよ。みんなで食べて楽しみながら、集会を盛り上げていました。

 

駒場:それも仕事です。おばあちゃんたち、僕らの優勝をめっちゃ喜んでくれました。天王寺区はファミリーが多い住宅地で、住みやすい良いところなんです。

 

内海:そんな活動をしていたのに、ダウンタウンさんに会ったり、嵐さんに会ったり・・・紅白歌合戦にも出演してもう訳が分からない。「あれ!? おばあちゃんたちはどこ?」って思ってしまいます(笑)。

 

ー今さらですが、ミルクボーイというコンビ名の由来は!?

 

駒場:本当に今さらですね(笑)。

 

内海:僕が昔付けたかった名前の候補のひとつ、ってだけです。どういうイメージがありますか?

 

ー見た目とギャップがあり、漫才師というイメージもありません。「ミルク」が耳に残りますね。

 

駒場:芸人という感じではなく服のブランド名だったり、かわいいイメージがあるかもしれませんね。

 

内海:こんな2人が出て来るとは誰も思わない(笑)。それが良いって今は言われます。覚えやすくて、おじいちゃんやおばあちゃんでも分かってくれる。

 

駒場:結構名前で言ってくれるよな~。ほんまにファン層が広いんですよ。

 

内海:70歳越えるおばあちゃんからのファンレターを受け取りましたし、ちびっ子も多いです。

 

駒場:ちびっ子は何で好きになってくれるんやろ~? って不思議です。

 

内海:「コーンフレークあるある」は、ちびっ子はまだ分かりませんよね。「生産者さんの顔が浮かばへん」とか言ってもね(笑)。

 

駒場:子どもさんは、「コーンフレーク」っていう言葉が気になるのかな!?

 

内海:多分ですけど、お父さんやお母さんがめっちゃ笑っているのが、うれしいんやと思う。ちっちゃい時、家族が笑っていたらうれしくなかったですか? 僕らの漫才、マネしやすいこともあるかもしれません。

 

駒場:「コーンフレーク」という響きやフレーズがいい、ってのがあるかもしれませんね。

 

ーコーンフレークが好きになった子、増えたでしょうね。

 

駒場:そうですよね。今まで興味なかった子とか、小学生はコーンフレーク知らない世代もいますよね。

 

内海:時代が変わっているからな。

 

駒場:グラノーラ系が多い最近ですが、コーンフレークに戻るっていうのはいいですよね!

 

内海:僕らの小さい時の事実を表現したネタ。アメリカンなコーンフレークにはほんまに憧れていました。親は白いごはんとみそ汁の朝ごはんでしたから。コーンフレーク食べたいな~って思っていましたよ。

 

駒場:大学で一人暮らしを始めた時、コーンフレークを買いました。制限なく食べられるっていう喜びがあった(笑)。

 

内海:うれしかったもんな~。

 

子ども時代の遊び場は、沖縄の海

 

ー少年時代、沖縄で過ごした駒場さん。沖縄で好きな食べ物は何ですか。

 

駒場:クーブイリチーと中味汁が好きでしたし、今も好きです。

 

内海:オカンもオトンも転勤で沖縄に来たのに、最初っからなじめたんか? 家で沖縄料理食べていた?

 

駒場:オカンが陽気な性格で、周りの人とすぐ仲良くなったみたいです。でも大阪から突然沖縄って、大変だったと思うんですよ。多分妹が生まれてすぐのころに来たはずだから。子育て今から頑張ろう~って時に急に沖縄ですからね~。約30年前ですから、外国に来た気分だったというようなこと話していました。感覚が違うし言葉も分からんし。でも周りの人がとても優しくて、料理などいろいろ教えてもらい作れるようになっていましたよ。

 

内海:へ~! オカン、沖縄料理作れるんだ。すごい!

 

駒場:めちゃくちゃ作ってくれて。クーブイリチーは切ったコンブと豚肉などを炒めたもので、中味汁は豚のモツのお吸い物で給食にも出てめっちゃ好きでした。

 

内海:今でも作ってもらったりする?

 

駒場:オカン作れると思う。サーターアンダギーやジューシーほか、家で結構沖縄料理を作っていました。ずっと食べて来たから、僕は沖縄料理好きなんだろうなって思います。

 

ー子どものころの経験や食べたものは大事なんですね。しっかり覚えているんですね。

 

駒場:沖縄のこと話したり聞いたりするとテンション上がります! 3歳から13歳は沖縄、13歳から18歳まで横浜で過ごしましたが逆じゃなくて良かったって思います。小学校時代を沖縄で過ごすのか横浜で過ごすのかで絶対に違うと思いますし、中学から高校の時に沖縄に来ていたら別の感覚のはずですね。

 

内海:だって沖縄から横浜に行った時は言葉が通じず、真っ黒に日焼けしたやつが転校して来たって言われたんやろ(笑)。

 

駒場:幼少期の10年間、沖縄いてめっちゃ良かった! オトンが外にいるのが好きで、毎週末海に行っていました。「また海や~。もう海イヤや~」って思ったこともありましたが、ぜいたくな話ですよね。遊ぶところは海しかないや~んって感じでしたよ。

 

ー内海さん、そういう思い出を聞いてどう思います?

 

内海:僕の親は転勤とかなく、ずっと同じところで育ったので、うらやましいです。いろんなところに故郷があっていいなと思いますし、沖縄は陽気なイメージで時間に厳しくないとか聞きますよね。

 

駒場:ウチナータイムって言って、ゆるかったりしますよね。

 

内海:でも僕らは今日着いた瞬間から、分刻みのスケジュール(笑)。沖縄感のない時間を過ごしています。そして相方は早めに行動するし時間は守る。

 

駒場:オカンは大阪でオトンは栃木出身だから、沖縄の血が入っていないからかもしれない。でもオトンはNAHAマラソンにずっと出ていたので、応援に行っていました。トレーニング好きなオトンは仕事から帰って来たら筋トレして走って、風呂入ってごはん食べてっていうサイクルでした。宮古島のトライアスロンほかいろんな大会に出ていましたし、沖縄をめちゃくちゃ満喫していましたよ。家にバーベルやダンベルがあったので、その影響で僕もトレーニングを始めました。

 

ーお父さんの影響が大きいんですね。息子が仕事で沖縄に来るようになったと、喜んでいるんじゃないですか?

 

駒場:そうなんですよ。本人は全然来ていないし、「いいな~沖縄に仕事で行けるなんて」ってオカンもうらやましがっています。弟も妹も行きたい~って言っていますよ。

 

内海:そういえばお前は沖縄のボディビル大会に出たよな。大阪やったら予選負けとかで結果が出なかったから、わざわざ沖縄まで来た。

 

駒場:ボディビルやっている証がほしいなと思って来ました。3位になれたんですよ!

 

内海:で、出場者が・・・!?

 

駒場:3人! つまり最下位です(笑)。2015年ごろで、銅メダルかんで写真撮りました。そうだ沖縄の方が優しかったこと、思い出しました! そのボディビル大会の会場はビーチだったんですけど、風が強くて雨も降り、急きょ会場変更で体育館のような場所になったんですよ。

 

内海:移動してくださいと言われ、みなさん車あるから行けるんですけど、僕らは携帯で場所を調べながら歩いていた。結構遠かったな。

 

駒場:めちゃくちゃ雨降ってきてたけど傘もなくて。そしたら同じ大会に出ていた人の家族が、びしょびしょの僕らを車に乗せてくれたんです。大阪に戻ってお礼を贈らせてもらって、今でも連絡取り合っていますよ。

 

内海:僕はその時応援に来て、動画を撮っていました(笑)。

 

駒場:YouTubeに動画をアップしたんだったかな!? そのボディビル大会の出場前の体重測定で「那覇ジム」に行ったんですが、トレーニングもできるいいジムですよ~! 「100年くらい歴史あるんか!?」って最初思いましたが(笑)、機材に味がある。購入当時の昔の機材で今のマシンと違う効き方をするというか、こんな効果的な機材があったんや~って新発見。先輩芸人のレイザーラモンHGさんや中山きんに君さんに話したら、沖縄に来る時はみんな那覇ジムに行くようになりました。スタッフさんに連絡したら、利用代は机に置いてて~って言ってくださいましたよ(笑)。今回は行けずに残念!

 

人生激変とこれから

 

ー内海さん、これからもっと沖縄を知っていただきたいです。今の時点で、好きな食べ物はありますか?

 

内海:ポーク卵おにぎり! 毎回買ってます。コンビニとかでも売ってますよね。

 

駒場:あれうまいな!

 

内海:ハンバーガー、アイスクリームもおいしい。

 

駒場:A&W、ブルーシール! 沖縄の定番といえる食べ物はやっぱりうまいですよね。

 

内海:うまい! でも在住歴10年の相方に勝てる訳はないですし、沖縄歴はまだまだ。去年の8月に「漫才ブーム」ツアーで来た時、海に行けたのは良かった。

 

駒場:コンビ4組でやったユニットライブなんですけど、全員一緒に動いてめっちゃ面白かったです! 普通は後輩を誘ったりして、バラバラに行動することが多いんですけどね。

 

内海:「漫才ブーム」は僕らがほんまに漫才頑張ろうってなった時に、面白いと思う後輩3組を呼んで始めたライブなんです。自分らにプレッシャーをかけたくて僕らから漫才始めて僕らで終わるという、すべられへん状況に追い込む過酷なライブですよ。コンビ間の関係は、ライバルでもあり仲間でもあります。

 

ーメンバーはツートライブ、金属バット、デルマパンゲ。切磋琢磨するメンバーなんですね。

 

内海:そうです。M-1で優勝すると、翌年はスタジオの観覧席に座ることができます。だから去年のM-1で決勝に行った時、「2020年はスタジオでみんなの漫才を見たい」って話していたんですよ。そしたらほんまに優勝できて、今年はスタジオの観覧席から見られるんですよ。「漫才ブーム」のメンバーが舞台に上がったら、僕ずっと泣いているかもしれない(笑)。

 

駒場:ひとしおですよね~。

 

内海:みんなで、「トロフィー回そう」って言っています。その前に今年もツアーやりたいですね。

 

駒場:もし沖縄にまた来られるなら海に行きたい。絶対夏にしてってリクエストします(笑)。

 

ー「M-1グランプリ」で優勝すると人生が変わる・・・お2人を見ているとよく分かります。日本一のコンビとして、最後に抱負をお願いします。

 

2人:本当に人生変わります!

 

内海:去年はテレビでの初漫才が、Mー1でした。だからこそ、これからも漫才を頑張りたいです。

 

駒場:ミルクボーイの漫才面白くなくなったな、って言われるのだけは絶対嫌です。

 

内海:より一層頑張らなあかん!

 

駒場:漫才頑張ります!

 

 

「ハイサイ気分」
ようこそ沖縄へ! 本土から来沖する有名人を歓迎する、連載インタビュー。近況や楽しいエピソード、沖縄への思いなどを語っていただきます。

 

【ミルクボーイ プロフィール】
☆駒場 孝(こまば・たかし)/左
性別:男性
生年月日:1986年2月5日
身長/体重:175cm/72kg
血液型:B型
出身地:大阪府
趣味:ボディビル
出身:NSC大阪校
Twitter @88MBOy

☆内海 崇(うつみ・たかし)/右
性別:男性
生年月日:1985年12月9日
身長/体重:168cm/82kg
血液型:B型
出身地:兵庫県 姫路市
趣味:けん玉2段/早食い
出身:NSC大阪校
Twitter @uttakaga

 

■インフォメーション■

【よしもと沖縄花月】

「ミルクボーイ」ほか東京や大阪で活躍する芸人、そして沖縄所属の芸人も舞台に立つ『よしもと沖縄花月』。お友達とご家族と、気軽にお越しください。
中学生以下のお客様は無料でご覧いただけます。(※一部対象外公演あり。当日券のみ)

場所:よしもと沖縄花月
那覇市前島3-25-5 とまりんアネックスビル2階
電話: 098-943-6244
公式サイト==> http://www.yoshimoto.co.jp/okinawakagetsu/pc/

 

饒波貴子(のは・たかこ)
那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。

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