海外宅配サービスの意義や必要な書類などについて、入居店舗に説明する琉球物産貿易連合の高良守社長=26日、嘉手納町の道の駅かでな 画像を見る

 

新型コロナウイルス感染症の影響で外国人観光客(インバウンド)がなくなり、観光施設や土産物店が苦境に立たされている中、道の駅かでなは「コロナ以降」をにらみ海外宅配サービス事業の検討を始めた。将来的にはホームページを設けて、外国客の帰国後も継続的な受注を目指す。

 

駅内で出店する土産店など6店舗が指定管理を担う琉球物産貿易連合と連携する。各店舗は、購入した商品を段ボールに詰めて郵便局の航空便を利用して外国客の自宅まで輸出する。客にとっては重い荷物を持ち歩く煩わしさが解消されて利便性が向上し、店側はファンの獲得と「ついで買い」による消費単価上昇が見込める。

 

輸送料や輸出書類の作成料などは外国客が負担する。土産品を手荷物で航空機内に持ち込むと超過料金を取られるが、航空便を利用すれば安く抑えられるという。最大重量は段ボール箱や緩衝材込みで30キロ。

 

海外宅配には、商品や数量などの情報が記載された通関で必要なインボイス(仕入書)など多くの書類を外国語で記載する必要があり、個別の店舗で実施するにはハードルが高い。輸出手続きなどは海外貿易のノウハウを持つ琉球物産貿易連合が手掛ける。

 

実現はコロナが収束し、インバウンドが回復した後になるため、同社が中心になって店舗との勉強会を続けている。

 

高良守社長は「コロナの影響で、訪日時に売るだけの一過性ビジネスの怖さは身にしみて分かった。今後は継続的なビジネスにしていきたい。実現すれば、巨大な資本ではない小売店が海外へ進出する第一歩になる」と話した。

 

道の駅かでなでは、地域活性化を目的に6月末まで商品を1割引きで販売するなどのフェアを開催している。

【関連画像】

関連カテゴリー: