県は10日、南風原町の県医師会館で「新型コロナウイルス感染症関係病院長会議」を開催し、県内の新型コロナウイルス感染拡大のピークがおおよそ今月16日になると報告した。県が専門家を交え、疫学的な分析などから導き出した。今後1週間で約700人の新規感染者の発生が想定され、病床数は新たに約160床の確保が必要になるとの見解を示した。一方、県は10日、新型コロナ感染症に関して患者3人の死亡を発表した。県内の累計死者数は10人となった。10日の新規感染者は52人で、人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数は41.87人で10日連続全国最多だった。
県によると、新型コロナ感染者のうち、医療機関への入院待機者は約300人。そのうち3分の1の約100人は高齢者や疾患があるなど、重症化する恐れがある。新規感染者は今後1週間で1日に約100人の発生が想定される。入院を必要とする重症患者のピークは、県独自の緊急事態宣言が出された7月31日から約2週間後の16日だと想定されるという。
県医師会の安里哲好会長は感染者の増加が当初の想定を大きく超えたとする見解を示し、「(感染者全てを)病室で対応するのは不可能だ。今後は感染者の家族、病院、コーディネーター、患者搬送、療養施設等のスムーズで効率的な連携改善が望まれる。今週が一番の頑張りどころだ」との考えを示した。県が確保を進める宿泊療養施設について、県医師会は本島中部や北部などにも新たに開設するよう求めた。
玉城デニー知事は感染拡大による病床の逼迫(ひっぱく)について触れ「現在、入院調整中の感染者は300人余りいる。その中には65歳以上の人や、持病を持つ人など自宅療養が適さない人もいる。さらなる病床確保の協力をお願いしたい」などと述べた。
県は県立病院の他、民間の医療機関などにも病床確保の協力を求めていて、感染のピークを前に医療体制拡充が急がれる。