石垣陸自配備住民投票をめぐる訴訟の判決で「不当判決」の垂れ幕を掲げる 原告ら=27日午前11時46分ごろ、那覇地裁 画像を見る

 

石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票の実施義務付けを求めた訴訟の判決公判が27日、那覇地裁(平山馨裁判長)であった。平山裁判長は「原告らの訴えはいずれも不適法である」として原告の訴えを退けた。住民投票の実施義務付けについて司法判断が下されたのは今回が初めて。

 

判決では、住民側が求めていた住民投票の義務付けについて、「行政事件訴訟法上の義務付けの訴えの対象となる処分に当たると解することはできない」と判示した。訴えの内容が、訴訟の対象ではないとして中身の審議に踏み込まず、「入り口論」の段階で原告の訴えを却下した。

 

訴訟は住民側が昨年9月に提起。住民側は、有権者の署名があれば住民投票の実施を求めることができる市自治基本条例の規定を踏まえ、「住民投票を実施しない不作為が条例違反である」と主張。市側の不作為の違法確認と住民投票の義務付けを求めていた。

 

住民投票を巡っては、2018年11月に石垣市の若者らがつくった「石垣市住民投票を求める会」が署名運動を展開し、有権者総数の3分の1を超える1万4263人分の署名を集めていた。市は市民の請求を受け、同12月に市議会に住民投票条例案を提出。しかし、19年2月に条例案が否決されていた。【琉球新報電子版】

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