新型コロナウイルスの影響で、多くの障がい者施設で生産活動の縮小が続く。そんな中、利用者の社会参加の機会を確保しようと、宜野湾市の就労継続支援センター「新緑の風」は、足元のペダルを踏むと消毒液が出る、木製の足踏み式消毒スタンドの製作を始めた。職員と利用者が協力し、コロナ禍での商品開発へ挑戦が始まっている。
新緑の風ではこれまで、主に木工の土産品などを製作してきたが、新型コロナの影響で商品の注文はストップし、生産活動収入は減少した。サービス管理責任者の津波古淳さん(53)は「製品作りは利用者のやりがいにつながる。作業機会や工賃を確保するためにも、利用者の木工技術を生かした商品が作れないかと考えた」と語る。
今年8月からアイデアを出し合い、木製の足踏み式消毒スタンドを設計した。木材加工から始まり、型取り、サンドペーパーがけやワックス塗りなど、利用者と職員で役割分担をしながら作業する。スタンドの上に取り付けたにっこり顔のシーサーは利用者の間でも評判に。足元のペダルを踏むと、シーサーの手元が動き消毒液が出る仕組みで、直接手を触れなくても手指消毒できることが利点だ。消毒液のスプレーボトルを置く台は、高さを調節できるよう工夫した。
サンドペーパーややすりがけを担当する利用者の與儀美枝子さん(56)は「木の表面がつるつるになるまで時間をかけて磨いている。達成感があって楽しい。多くの人に利用してほしい」と笑顔を見せる。
同センターではスタンドの注文を受け付けている。シーサーにちなみ価格は1台4300円(税込み)。
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