画像を見る

 

【東京】名護市辺野古の新基地建設工事が続く大浦湾で、今年2月にジュゴンのものとみられる鳴き声が確認されたことに関連し、防衛省は15日、国会議員らに対し「音声データを提出することはできない」と述べ、音声を公開しない考えを示した。

 

15日に開かれた野党国会議員でつくる「沖縄等米軍基地問題議員懇談会」で防衛省の担当者が答えた。

 

防衛省はまた、ジュゴンの調査に携わった専門家の氏名について「非公表にすることを条件に助言を得た」として非公開とした。

 

防衛省側は、音声データは防衛局になく調査会社が管理しており、契約で「音声データの提出を受けることになっていない」ことを理由に挙げた。だが、契約書では「業務を行う上で得られた記録等を含む」成果物は、発注者である沖縄防衛局が承諾すれば提供できることとなっており、議員らが疑義を呈した。

 

防衛省は「(調査会社から)防衛局がデータの提供を受ける必要はない」とも述べ、提供する考えがないことを重ねて強調した。

 

防衛省は、ジュゴンの生息状況の変化を確認し保全を行うことが調査の狙いであり、音声自体が手元になくとも「ジュゴンがいたものとして十分必要な追加措置を行い、業務の目的を達成している」との認識を示した。

 

伊波洋一参院議員は「食み跡など他の証拠がない中で重要な資料だ」と述べ、公開を重ねて求めた。

 

一方、県に提出した設計変更申請の審査結果が出る前に防衛局が地盤改良に関する実施設計業務を発注したことに関して、防衛省は「変更承認後に速やかに工事を進められるよう、あらかじめ設計業務を契約することは特段問題ない」との認識を重ねて示した。

【関連画像】

関連カテゴリー: