県は21日、直近1週間(14~20日)の人口10万人当たりの新型コロナウイルス新規感染者数が44・89人になったと発表した。過去最多だった昨年8月の42・97人を上回り、最多を更新した。70代男性の死亡と68人の新規感染も発表された。高齢者施設でのクラスター(感染者集団)2例も確認した。米軍関係の感染は4人だった。
県の糸数公保健衛生統括監は現在の流行状況について「夏場の第2波より高い波が来ている」と述べ、これまでで最大の波との認識を示した。今後の拡大を抑えられるかは、人と接触する機会をどれだけ減らせるかによると強調した。
直近1週間の新規感染者数は東京都、神奈川県、千葉県に次いで全国4位。前日の6位から悪化した。糸数統括監は「今回の大きな波は、活発に活動する若い世代が、軽症あるいは無症状で知らない間にほかの人に感染させていった」と分析。その上で「人と接する機会を止めるのが大事な時期だ」と強調した。
21日現在、入院中の中等症以上の患者数も昨年の夏場の流行時を上回り、計136人となった。夏場の中等症以上の患者は8月22日の計134人が最多だった。
県の警戒レベル判断指標は7指標のうち4指標が「感染蔓延(まんえん)期」を示す。このうち県内のコロナ病床占有率は86・1%で逼迫(ひっぱく)が続く。
21日発表のクラスターは浦添市のサービス付き高齢者住宅とデイサービス施設で職員2人と利用者8人の計10人、もう1例は那覇市のデイサービス施設で職員6人と利用者9人の計15人で、いずれも19日までに感染が判明した。県が19日に発表した新成人クラスターは感染者が3人増えて計13人となった。
死亡した70代男性は那覇市居住で4日に感染が判明し、容体が悪化、15日に死亡した。県内の死者数は89人になった。21日発表の新規感染者で感染経路が判明したのは26人。内訳は家庭内が7人、飲食・会食が6人、友人・知人が4人、職場内が4人、濃厚接触者の調査中が5人。居住地別は那覇市が19人、名護市が9人、沖縄市6人、宜野湾市と浦添市が各5人などとなっている。