【東京】2015年に陸上自衛隊と米海兵隊が名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブの共同使用を極秘合意していたとされる問題で、岸信夫防衛相は27日、同基地への常駐が計画されていた陸自離島防衛部隊「水陸機動団」の関連施設の設計図案について、「そういう形での図があった」と述べた。陸自と海兵隊が調整し作成していたとされる設計図案の存在を認めた。計画について「政府としての合意はない」としたが、陸自と米海兵隊のトップ間で合意が交わされた可能性については否定しなかった。
同日の参院予算委員会で、立憲民主党の白眞勲氏への質問に答えた。
岸氏は、極秘合意に関連して陸自と米海兵隊が調整して作成したとされる陸自施設の計画図の存在を問われ、「共同使用について、きちっとした計画があったわけではないが、そういう形での図があったとの話がある」と説明した。
図案は2015年、陸自の岩田清文陸上幕僚長と在日米海兵隊のニコルソン司令官(ともに当時)が、水陸機動団の常駐について合意した後に作成。この図案のほか、給排水計画も作られ、それぞれ関係先に提示されたとされる。
岸氏は、部隊の常駐計画については26日の会見に続き、「政府としてそのような合意はない」と重ねて否定した。ただ、陸自、米海兵隊両トップの合意について「さまざまなやりとりがあったかもしれないが、正式な合意事項ではない」と述べるにとどめた。制服組のトップ同士で交わされた交渉の中身については「詳細なやりとりについては差し控える」とした。
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