ちょび髭ニンニクを栽培する(左から)浅井俊次さんと照屋清司さん 画像を見る

先日、買い物に行ったファーマーズマーケットで「ちょび髭(ひげ)ニンニク」なる商品が売られているのを発見しました。普通のニンニクとどう違うの? そして味はどうなの? いろいろ気になっているので調べてみてください!
(那覇市 ガーリックガールズ)

 

ちょび髭ニンニク…、栽培している方がひげを生やしてるんでしょうか?

 

そんな予想をしながら情報を集めた調査員、すぐにインスタグラムに公式アカウントがあるのを発見しました。どうやら、独自の方法で育てたニンニクを「ちょび髭ニンニク」として商品化し県内各地で販売しているようです。実際に生産している方にお話を聞いてみましょう!

 

根までおいしい

 

調査員は那覇市内で約1年前からちょび髭ニンニクの栽培を始めた浅井俊次さんと照屋清司さんにお会いしました。うむ、2人に髭は生えていませんね(笑)。そう思っていると浅井さんが「ちょび髭ニンニクはニンニクのスプラウト(発芽直後の状態)。芽と根が伸びてから収穫し販売しています」と実物を見せてくれました。

 

なるほど、ニンニクから伸びた根が髭のようだからその名前が付けられたのですね。納得している調査員に、浅井さんがちょび髭ニンニクを調理して出してくれました。丸ごと火を通したシンプルなバターしょうゆ焼きです。食欲をそそる香り、ほくほくと軟らかいニンニクの食感でどんどん箸が進みます。特徴である根も青々とした芽も食べられます。根は口の中ですっと溶けるような味わいがおもしろいです。

 

「火を通して食べるので、次の日は臭いが残りにくいんですよ」と浅井さんは教えてくれました。このレシピの他、素揚げ、ホイル焼き、薄くカットした豚肉を巻いて焼く「肉巻き」にするのもおすすめだとか。

 

ニンニク好きが育てる

 

ちょび髭ニンニクが栽培される発端は、浅井さんが大のニンニク好きだったことにあります。

 

日々ニンニクを食していた浅井さん。家庭での栽培や、漬け物用にと通常のニンニクを一片ずつに分け保存していたところ、そのうちの何割かが芽を出すことに気付きました。試しに食してみたところ、そのおいしさに感動。「これは薬味としてではなく、料理の主役になる!」と確信したそうです。

 

ニンニクのスプラウトを安定して出荷するために、浅井さんが協力を仰いだのは学生時代からの友人、照屋さん。那覇市内で会社員として働いており、お客さんと対面しての仕事もあるので「普段はあまりニンニク食べなかったんですよ(笑)」と話します。しかし、浅井さんの育てたニンニクのスプラウトのおいしさを知って考えが一変。栽培に協力することを決めたそうです。今ではニンニクが発芽する条件を実験したり、生育に適した環境の研究に注力しています。

 

「ニンニクは誰もが知る作物ですが、ちょび髭ニンニクは新しい育て方、食べ方。発芽したばかりなので栄養素もいっぱい詰まっているんですよ」

 

照屋さんはそう胸を張ります。現在は、県内のファーマーズマーケットや八百屋さんに出荷している他、一部の居酒屋さんでも味わえるちょび髭ニンニク。今後どんどん生産数を伸ばす予定なので、見かける機会も増えるはず。ぜひ手に取ってみてくださいね。

 

【Instagram】@CHOBI_HIGE_NINNIKU

 

(2021年3月4日 週刊レキオ掲載)

【関連画像】

関連カテゴリー:
関連タグ: