【東京】名護市辺野古における防衛省の新基地建設を巡り、沖縄戦戦没者の遺骨が残るとみられる沖縄本島南部を含め、本島全域からの土砂採取計画に抗議するため、東京の首相官邸前で宜野湾市出身の金武美加代さん(47)=東京都世田谷区=が8日から、ハンガーストライキ(ハンスト)を続けている。同じく計画の中止を求め、ハンストに取り組んだ遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんの行動に呼応した。金武さんは「具志堅さんからバトンを託された。東京からのアンサーを届ける」と力を込めた。
15日、官邸前。この日も歩道で静かに座り込みを続けていた金武さんは、自身に言い聞かせるように語った。「東京に住むウチナーンチュに何ができるのか。それが問われている」
8日から始めた座り込みで、顔は真っ黒に日焼けした。水分補給と塩だけでしのぐ。16日、「今のところ体調に問題はない」という。
21歳で英国ロンドンに留学し、2009年から都内でフリーのインテリアデザイナーとして活動する。両親は沖縄戦体験者。米軍普天間飛行場の近くで生まれ育ち「非戦への思いは強く持ってきた」。
会員制交流サイト(SNS)を使い、新基地建設や集団的自衛権の行使容認など、強権的な政権に対して抗議の意思を示してきた。「沖縄の問題が県内だけで議論されている。そのことに歯がゆさがあった」。
昨年から官邸前での座り込みをしている。官邸前に集う、さまざまな人々と対話し、静かな抗議を続ける。「沖縄に目を向けさせたい」。ハンストは1週間を超えたが、さらなる意欲を示した。
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