自衛隊や米軍の基地など安全保障上重要な土地の利用を規制する法案を巡り、反戦・平和を掲げる「沖縄平和運動センター」は1日、沖縄県庁記者クラブで会見を開き、廃案を求める声明を発表した。「国民や県民を監視する人権侵害法案だ」と訴えている。
法案が成立すれば自衛隊や米軍基地から1キロの範囲が「注視区域」や「特別注視区域」になり得るとして、嘉手納基地周辺では嘉手納町の約5500世帯、約1万3千人、沖縄市の約2万6千世帯、約5万8千人、北谷町の約8300世帯、約1万9千人が対象となるとの試算を盛り込んだ。同じ試算方法で普天間飛行場周辺は約3万9千世帯、約9万8千人が対象となるという。
その上で「米軍基地の被害者である住民が救済を受けるどころか監視対象にされてしまう。とんでもない事だ」と指摘。自衛隊施設を抱える離島も区域指定の対象となると説明して警戒を促した。
山城博治議長は「新型コロナウイルスの感染が広がる中、集会などで大きな声を上げられず、じくじたる思いだ。この法案は基地の島、沖縄にとって、ただ事ではない。危険性について世論を喚起したい」と語った。
声明は首相や衆参両院議長に宛てて送る。
土地利用規制法案は5月28日の衆院内閣委員会で可決され、6月1日に賛成多数で衆院を通過した。
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