「経営上の危機」と窮状を訴えて、寄付を呼びかけるひめゆり平和祈念資料館のツイート 画像を見る

新型コロナウイルスの影響で入館者が激減しているひめゆり平和祈念資料館が6日午前、ツイッターで「経営上の危機」と窮状を訴えたところ、リツイートなどで情報が拡散され、支援の寄付金が一挙に押し寄せている。寄付サイトには投稿後から7日午後5時半までに4990件、約1750万円の寄付が集まった。昨年10月の寄付サイト利用後から4月までの数字と比べて寄付金額で5・4倍、件数は28・5倍に達した。

 

同館の入館者数は2019年度は49万1345人。新型コロナの影響で、修学旅行のキャンセルなどが相次いだ20年度は6万6532人で19年度比86%減少した。21年度も4月は4151人、5月は4908人と厳しい状況が続いている。

 

ツイッターの投稿は6日午前9時21分。新型コロナの影響で入館者が減少していることを説明した上で「民間で、入館料収入によって運営してきた当館にとって大変苦しい状況となりました。どうかご無理のない範囲でご寄付いただけますと幸いです」と切々と呼びかけた。

 

この投稿はツイッターを中心にSNSで情報が広がった。「なんとしても存続していただきたい場所です」「10万入れておきました」などと寄付を報告する返信なども相次ぎ、さらに拡散。リツイートや「いいね」は7日午後6時までに合計2万3千を超え、支援の輪が広がった。

 

同館によると、入館者の減少で昨年10月から寄付サイト「Syncable」を利用しており、寄付は4月までは175件322万円だった。投稿後は6日午後5時半までに2637件、約898万円の寄付があり、7日午後5時半までに4990件、1750万円まで増えた。

 

担当の前泊克美学芸員は「びっくりした。多くの皆様からご芳志が寄せられ、職員一同感謝の思いでいっぱいです。運営が厳しい状況は変わらないが、たくさんの温かいコメントに励まされている」と語った。

 

ひめゆり平和祈念資料館は戦前の沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の同窓会「ひめゆり同窓会」を母体とするひめゆり平和祈念財団が設立した民間の資料館。沖縄戦に動員された学徒らの体験を通して戦争の悲惨さ、平和への思いを未来につなぐ活動をしている。19年度の運営費は1億4762万円だった。公的な資金は受けておらず、入館料と寄付金で運営している。

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