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「いくら横綱になったといっても、思いどおりの相撲がとれないこともある。人生が思いどおりにならないようにね。(息子も)それを勉強したんじゃないかな……」

 

厳しい表情でそう語ったのは、横綱・稀勢の里(31)の実父・萩原貞彦さん。

 

昨年、19年ぶりの日本出身横綱となり、フィーバーを巻き起こした稀勢の里。しかし、それからわずか1年で相撲人生の“土俵際”に立たされるとは、果たして誰が想像しただろうか。復活を期した一月場所も、6日目から途中休場している。

 

「年6場所が定着した58年以降、横綱の5場所連続休場は、歴代5位の不名誉な記録です。ましてや稀勢の里は横綱になってまだ6場所なのに、皆勤は1場所だけですからね」(相撲ライター)

 

そんな彼が悲壮な決意を表明したのは1月24日のこと。

 

「次の場所は覚悟を決めてと思っている。(横綱に)上がったときから(不振が続けば)常にそういう気持ちでやってきた」

 

その真意を知るために、父・萩原貞彦さんを取材した。

 

「不調の原因?やはり横綱の持つ責任というのは大きいですからね。日本出身で19年ぶりだから、モンゴル出身だからとかは関係ないでしょう。やっぱり重みも大関とは違うんですよ。相撲は日本の国技であると同時に神事でもある。横綱だけが伊勢神宮や明治神宮などで奉納土俵入りをする。そんな横綱という地位を背負うことに、(息子も)まだ戸惑っているのでしょう」

 

――横綱は次の場所について“覚悟を決めて”と、発言していますが?

 

「もし次の場所に出たとき成績が悪かったら?……まぁそのときは引退するということでしょう。それは(親としての私にも)覚悟はできています。ただ、このまま終わるのは残念すぎるけど……。いまも期待してくれている人たちがいるのは親としても嬉しいこと。でも、その期待に応えることができるかどうかは、本人次第としか言えませんね」

 

父やファンたちの祈りを背中に受け、稀勢の里の土俵人生をかけた闘いはすでに始まっている。