2月に白血病であることを公表した競泳の池江璃花子選手(18)。3月13日の更新を最後にTwitterの更新がストップしていたが、5月8日には公式ホームページを開設。そのなかで《正直、心が折れそうな時もあります。ですが、たくさんの言葉にはげまされ、最後まで頑張りたい、負けたくないという気持ちがこみ上がってきます》と、前向きに闘病する様子を明かしていた。
復活に向け、いまも孤独な闘いを続ける池江選手。彼女が奮闘するのには“理由”があった。池江選手は3月13日に投稿したTwitterで《東京オリンピックまであと499日 1日遅れちゃった まだまだ諦めないぞー!!》と病床から強い意志を表明。さらに池江を指導する三木二郎コーチ(35)も、2月の会見では「強くなって戻ってくると信じている。可能性はゼロではない」と語るなど、五輪への希望をつないでいた。闘病中の彼女が出場できる可能性は、果たしてどの程度あるのだろうか。水泳協会関係者は語る。
「東京五輪の代表選手になるには、2回のチャンスがあります。まずは、今年7月に開催される世界選手権の個人種目で金メダルを獲得すること。もしくは、来年4月に行われる日本選手権で好成績を残すことです。現在の病状から、池江選手が世界選手権に出場することは難しいかもしれません。しかし、日本選手権に出場できる可能性はゼロではありません。そこで選考基準以上の成績を収めることができれば、五輪出場も十分ありえるのです」
さらに白血病に詳しい江戸川病院腫瘍血液内科副部長の明星智洋医師も、池江選手の五輪出場の可能性を後押しする。
「報道されている状況から池江選手がリンパ性白血病だと仮定した場合、骨髄機能の回復を目指す『寛解導入療法』が最初に始まります。その次に、検出できないがん細胞を徹底的にたたく『地固め療法』が待っています。こちらは抗がん剤を4~5回ほど投与します。1回あたり1ヵ月ほどかかるでしょう。途中でトラブルもなく順調に治療が進んだ場合は、今年の秋ぐらいにある程度の治療が終わる可能性もあります。そうなれば退院も夢ではありません。その後は入院生活で落ちた筋力を元どおりに回復させる必要があるでしょう。来年4月の大会に出ることも不可能ではないと思います。池江選手の努力次第ですが、希望を捨てずに頑張ってほしいです」
公式サイトで《待っててくれている皆様に1日でも早く良い報告ができるようにしたいと思います》とつづっていた池江選手。東京五輪での“奇跡の復活”を目指して、池江選手の闘いはこれからも続く――。