羽生結弦 日本フィギュア界が期待する“ゆづアカデミー”構想
画像を見る 自身のアカデミーを持つ羽生憧れのプルシェンコ(写真:アフロ)

《世界中でいろいろなところを回りながら、スケートで本気で1位になりたいと思っている人に何か手助けをしたいなと思っています》
《今現在のフィギュアスケートの技術や演技といった分野の中で、幸いにも一番上のところに来たと今、胸を張って言えるので、そういった経験をみんなに伝えるお仕事ができたらなと》

 

後進を指導することに興味を持っていると捉えていいだろう。

 

指導者としての羽生の将来を考えたとき、フィギュアスケート評論家の佐野稔さんは“アカデミー設立”という可能性を挙げる。

 

「従来のフィギュアスケートの育成システムというのは、誰でも入れるスケート教室があって、そのなかでたまたま才能のあるコがいると、コーチについて選手として育てられる、という仕組みです。一方、アカデミーの場合、最初から優秀な才能のある人を集めて育てる、というイメージをもってもらえばいいでしょう」

 

たとえば、羽生が幼少期から憧れてきたエフゲニー・プルシェンコ(38)。羽生同様、五輪で金メダルに輝いた彼は、引退後の’17年に、私財を投じてロシアにアカデミー「エンジェルス・オブ・プルシェンコ」を設立した。現在、ジュニア選手やトップ選手合わせて100人以上がトレーニングを行っているという。

 

また、日本にも今年4月に、フィギュアスケートの五輪メダリスト育成を目指した「木下アカデミー」が発足している。

 

「木下アカデミーも非常に有望な選手のみを集めています。南船橋でも新しいアカデミーがもうすぐできるところです。日本のフィギュア界の構造が変わりつつあるのです」(佐野さん)

 

羽生のかつてのトレーニングパートナーで盟友でもあるハビエル・フェルナンデス(29)も、最近スペインで自身のアカデミーを立ち上げたというから、“ゆづアカデミー”も説得力を増してくる。

 

「羽生選手のアカデミーができれば、たくさんの優秀な人たちが羽生選手に教われるということになるかもしれません」(佐野さん)

 

「女性自身」2020年12月22日号 掲載

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