「本当に悔しい思いでいっぱいです。うちは母子家庭でしたけど、明るい子になってほしいと思って一生懸命育ててきました。そんなあの子が、佐渡ヶ嶽部屋での8年間でボロボロにされたんです。
これ以上、息子のような目に遭う人が出てきてほしくない。そう思って今回、お話しすることにしました……」
と語るのは、引退した琴貫鐡こと柳原大将さん(22)の母だ。発端は1月9日のTwitter。柳原さんがこう投稿したのだ。
《今日を持って 引退することになりました。 このコロナの中、 両国まで行き相撲を取るのは さすがに怖いので 休場したいと佐渡ケ嶽親方に伝え 協会に連絡してもらった結果 協会からコロナが怖いで 休場は無理だと言われたらしく 出るか辞めるかの 選択肢しか無く 自分の体が大事なので》
「コロナが怖い」と休場を申し出たところ、出場か引退かの2択を迫られたという。柳原さんが新型コロナウイルスを恐れるのには、理由があった。母親が明かす。
「大将は心臓の手術を経験しています。そのため、コロナ感染に対してリスクを感じていたそうです。同時に『これ以上、母親に迷惑をかけるわけにはいかない』とも考えていたみたいです。
というのも、あの子はこの8年で心臓も含めて4度の手術をしてきました。でも最後の手術費用以外は佐渡ヶ嶽部屋が支払ってくれず、私がすべて負担してきたんです。『相撲で母に恩返しを』と思っていたのが、むしろ金銭的な負担をさせてしまっている。あの子はそれをずっと悩んでいました」
1月10日に元関脇・貴闘力こと鎌苅忠茂氏(53)のYouTubeチャンネルへ出演した際も、“心臓手術を経験したがゆえの恐怖”を語っていた柳原さん。引退決断の陰には、故郷で暮らす母親への思いがあったのだ。
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