■母は股関節の病気を発症し、一時は車いす生活に……
「実は私も大将が小学生のころに股関節の病気を発症。一時は車いす生活を余儀なくされ、それから満足に働くことができなくなりました。大将が中卒で相撲の世界に飛び込んだのは、そんな私を見て『病気の母親を早く楽にさせてあげたい』と思ったからでした。
私は、今でも10分以上立っていられない状態です。しっかり治すためには手術が必要。そのタイミングを考えているところです。だからあの子はケガをするたびに『本当はお母さんが先に手術をしないといけないのに申し訳ない』と感じていたようです。今回も同じ気持ちだったみたいです。
私が臨月のときに離婚したため、あの子は父親を知らずに育ちました。でも、幼いころから本当にしっかりとしていてね。私が仕事から帰ってくると、飼っていた犬と一緒に寝て待っているんです。寂しかったと思いますが、駄々をこねたりはしませんでした。本当に、母親思いの子なんです……」
本誌は日本相撲協会を通じて佐渡ヶ嶽部屋に取材を申し込んだが、回答はなかった。
柳原さんの母は涙ながらに「あの子は、今でも相撲が大好きなんです」と語っていた。その言葉にはこれまでずっと見守り続けてきた親としての、無念の思いがにじんでいた。
「女性自身」2021年2月9日号 掲載
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