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「うちの子たちはみんな体操選手。長男が初めに近所の体操クラブへ行って、続いて次男と三男の大輝もお世話になりました。幼いころから負けず嫌いでどんな技でも、『兄ちゃんにできるなら自分もできる!』と、言っていたそうです」

 

こう語ったのは、体操男子個人総合のみならず3日に行われた種目別鉄棒でも王者に輝いた橋本大輝選手(19)の父・久一さん(54)だ。

 

母の祥子さん(54)と久一さんは2人とも地方公務員。共働きであるため、体操クラブへは祖父母が送迎していた。

 

「大輝は祖父母になついていました。うちは兼業農家なのですが、祖父母はよく田んぼに連れて行っていまして、大輝も見よう見まねで、農作業をするようになったんです」

 

1袋30kgのお米を運ぶ日々は、体操で活躍するための基礎的な肉体作りに役立ったことだろう。

 

「トレーニングとまで言えるかどうか(笑)、でも大輝は積極的にお手伝いしてくれていました」

 

橋本を支えてくれた祖父の正尚さんは2年前に、84歳で他界した。

 

「一生懸命、体操しているところをもっと見せてあげたかったでしょうね……。金メダルを取った夜は、私と妻、そして祖母の3人で自宅のテレビで応援しましたが、祖父の遺影にも闘いぶりを見てもらいました。大輝にとっても祖父への恩返しになったのではないでしょうか」

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