■元日はリンクに灯りがつかず…
前出の本田さんは「今後は4回転アクセルを成功に近づける練習がメインになるでしょう」と話すが、「北京で成功させるのはなかなか難しいこと」とも言う。
羽生自身も残り時間の少なさを自覚しているのだろう。12月31日に日本スケート連盟の公式ツイッターに投稿された動画に登場して“正月の過ごし方”を聞かれ、「4A(4回転半)の習得に向けてしっかりと軸づくりであるとか、回転のかけ方、いろいろなことを学んでいきたいと思います」と“正月返上”の覚悟を話していた。
ただ、羽生の地元であり、現在拠点としている仙台の地元住民がこんなことを教えてくれた。
「大晦日も元日も、いつも練習しているリンクは営業しておらず電気が消えていましたから、羽生選手も練習を休んでいたはずですよ」
スケート関係者に聞いてみると、
「理論派でもある羽生選手ですから、たとえば全日本の演技の動画分析など、自宅でもできることを行っていたのではないでしょうか。4回転半の練習は『頭を打って死ぬんじゃないかと思った』と話すほどのもの。ケガのリスクもありますから、リンク外で成功のイメージトレーニングを繰り返して恐怖を払拭することも大切だと思います」
元日は実家で家族との時間を過ごして英気を養いながら、4回転半の恐怖を乗り越える“脳内革命”をーー。そして正月が終わったいま再びリンクに立ち、北京五輪までのおよそ30日、3つ目の金メダルに向けて全力滑走するだけだ。
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