シリーズ人間の職人に関する話題
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「塗れたぞ!」…輪島塗老舗が踏み出した、能登半島地震から復興への一歩
2024/05/26 06:00【前編】元日の地震で被災は3度目…輪島塗「藤八屋」を何度でも立ち上がらせる思いから続く「これは去年の大晦日の夜、山本町の工房兼自宅です。いまは海外で暮らしている娘家族が帰省してきて。みんなで『紅白』を見て、それからお蕎麦をいただいて……」そう話すのは、塩士純江さん(67)。純江さんの夫・正英さん(76)は、明治時代から輪島塗の製造と販売を手掛ける、「藤八屋」の3代目だ。藤八屋は、今年1月1日に発生 -
元日の地震で被災は3度目…輪島塗「藤八屋」を何度でも立ち上がらせる思い
2024/05/26 06:00「お亡くなりになった方々のことを思えば、こんなことを考えるだけでバチが当たるのかもしれないけど……。気持ちがへこんだときなんかに、ふと思ってしまうんです。“私たちこの先、生きとってどうするんだろう”って。心から笑える日なんか、本当に来るんだろうかって」まもなくゴールデンウイークを迎えようという4月半ば。本誌記者を案内しながら被災した町を歩く女性は、絞り出すようにしてこう打ち明けた。塩士純永さん(6 -
靴磨き歴50年のおばあちゃん“指紋が消える”ほどの仕事の流儀
2021/04/12 11:00東京・新橋は、サラリーマンの聖地として知られる。その象徴でもある駅前「SL広場」の一角の路上で、50年前から靴を磨き続けてきたのが中村幸子さん(89)。この街で最後の靴磨き職人で、5人の子と8人の孫を育て上げた。「こんにちは。さっ、片方ずつ、足をこの台に乗せてね」寒風吹きすさぶ日も、猛暑の日も、少々の雨や雪だって、朝9時半から午後7時まで、じっと座って、お客を待つ。「足を骨折してからは、私も両足を -
おばあちゃんは89歳の靴磨き職人 5人の子供を育て上げた半生
2021/04/12 11:00朝9時半から午後7時まで新橋・SL広場に座り続けて、子供5人、孫8人を育てた靴磨き職人の中村幸子さん(89)。その半生は決してラクなものではなかったが、それでも「人生いいことのほうが多いというのも本当」と話す。19歳のとき家出同然で上京した中村さん。荷物を盗まれ、10円のコッペパンで飢えをしのいで上野の闇市へ行き、おでんの屋台で働くようになった。しかしいつまでたっても給料は支払われず、既婚者である