(写真・琉球新報社)
沖縄防衛局は27日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に向けた工事を再開した。国と県が辺野古代執行訴訟で和解し、工事が中断した今年3月4日以来、約10カ月ぶり。
本格的な工事は年明けに再開する見通し。来年1月以降に海底掘削(ボーリング)調査を実施。汚濁防止膜設置に伴うコンクリートブロックを海中へ投下し、護岸設置に向けた作業を進める。翁長雄志知事は政府の強硬姿勢に強く抗議し、今後、あらゆる権限を駆使して工事を止める考えを示唆しており、工事が今後円滑に進むかどうかは不透明だ。
沖縄防衛局は、県が事前協議を求めている実施設計について、協議は終えているとして事前協議に応じず、県へ反論文を送った。翁長雄志知事は27日、政府が事前協議なしで工事を再開させたことについて「県民の怒りと悲しみはすごいものがあるので、そう簡単に物事は進まない」とした上で、新基地建設阻止に向けてあらゆる手段を講じていく考えを示した。
翁長知事は昨年10月に普天間飛行場移設に向けた辺野古埋め立て承認を取り消した。だが、辺野古違法確認訴訟で最高裁が20日、県敗訴の判決を出したことを受け、承認取り消し処分を26日に取り消した。沖縄防衛局は、県が郵送した取り消しの通知文が届いたのを確認し、27日午後2時、工事を再開した。
米軍キャンプ・シュワブの埋め立て予定地近くの海岸ではクレーン車が、海上保安庁のゴムボートが利用する仮設の浮桟橋を陸上に並べる作業が確認された。さらにトラックで運んだオイルフェンスを10本以上海岸に移動させ陸上に並べる様子も見られた。
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