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70年代のフランスで活躍したギャング、エドモン・ヴィダルの半生を描いた映画『そして友よ、静かに死ね』。彼の青年時代を演じたディミトリ・ストロージュが、伝説的ギャングの素顔を語る。

でぃみとり・すとろーじゅ★

77年7月26日生まれ。フランス生まれ。97年に映画俳優としてデビューし、数々の短編・長編作品に出演。おもな出演作は
『La Coagulation des jours』(09年)、『Rien de
personnel』(09年)など。本作で、フランス国内でもっとも権威ある映画賞セザール賞の『有望男優賞』に初ノミネートされた。

映画『そして友よ、静かに死ね』

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監督/オリヴィエ・マルシャル 
出演/ジェラール・ランヴァン チェッキー・カリョ ディミトリ・ストロージュ
銀座テアトルシネマにて公開中。全国順次公開
(オフィシャルサイト)http://soshitetomoyo.com/
(C) 2010 LGM FILMS GAUMONT FRANCE 2 CINEMA HATALOM RHONE-ALPES CINEMA

 

――今回、演じたエドモン・ヴィダルは、フランスの方なら誰でも知っている人物なんでしょうか?
「映画が公開されたことで、今は有名な人物になりました。しかし、私自身はこの映画に携わるまで、彼のことは知りませんでした。彼がいた『リヨンの男たち』というギャング団の名前は知っていましたがね。僕の親の世代は、彼やギャング団についてより詳しく知っていますよ」

――完成作をご覧になっての感想をお聞かせください。
image「じつは、まだ1回しか見ていないんです。私はあまり自分の出た作品を見るタイプではないし、客観的に見られるまで時間が必要なので、10年後くらいにまた見るかもしれません。映画作りに参加してみて、いい映画だなと思っています」

――撮影現場には、エドモン本人がほぼ毎日、いらしていたそうですが、実物を目にした感想は?
「すごく優しくて、静かな人物でした。現場では、聞けば意見を言ってくれるけど、自分の意見を押し付けたりせず、介入してこない。控えめな人でした」

――撮影では、エドモンにどのような質問をされたんでしょうか
「ギャングだった当時の心境を理解するため『あのとき、どういう気持ちだったんですか?』 とか、そういった質問です。たとえば、サクランボを盗んだだけで刑務所に入れられたときの気持ちは? とか。また、銀行強盗のときの精神状態は? とか。“本物”の情報をなるべく集めるようにしました」

――銀行強盗のときはどのような気持ちだったと語っていたんでしょうか。
「今は引退して、静かな生活を送っている彼ですが、こればかりは『今でもあのときのアドレナリン、高揚感は、思い出すことがある。ドラッグをやったみたいな、えもいわれぬ高揚感だった』と言っていました。自分は経験できない話ですけどね。そのとき、彼らが一度に盗んだ金額の記録は、フランス国内でまだ破られていないんじゃないかな」

――エドモンとディミトリさんは、外見が似ているからキャスティングされたんでしょうか。
「本物のエドモンは青い目で、僕とは顔も似ていませんが、見た目のギャップに戸惑うことはありませんでした。ただ、犯罪者役はこれまでもありましたが、実在の人物を演じるのはモチベーションが上がりましたね。演じる上で心がけたのは、彼が犯罪を犯したことではなく、これだけの濃い人生を歩んできた軌跡をちゃんとリスペクトして、演技をするということでした」

――作品では男の友情が描かれていますが、ディミトリさんも、仲間との友情の経験はありますか?
image「もちろん。強い友情のある仲間はいるんですけど、願わくば、この映画のようにならなければいいですが(笑)」

――ところで、日本は今回が初めてということですね。感想をお聞かせください。
「取材を受けているので、どこにも行ってないんです。まだ何も見ていない(笑)。時間ができたら、子供が2人いるので、おもちゃを買いたいです。でも滞在が短いので、その余裕があるかどうか」

――日本食はお好きですか?
「好きですよ。先週もパリの日本レストランへ行ってきました。うどん、そば、たこやき、とんかつ、かつどん……。おいしいですね」

――ディミトリさんにとって、記念すべき日本公開初作品になるそうですね。日本の人に自己紹介をぜひお願いしたいのですが。
「まず、この映画が日本で公開されてすごくうれしいです。というのは、この映画は、僕がセザール賞(フランスの権威ある映画賞)に初ノミネートされた、誇りに思える作品だからです。ぜひ、たくさんの人に見ていただきたいです。ヒットしたら、また自分の来日の機会もできて、日本についてもっと深く知ることができると思います」

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