10月23日に「古典への誘い」札幌公演を終え、東京に戻った市川海老蔵(38)。11月3日から十一月花形歌舞伎「石川五右衛門」が始まるまでの約10日間は、久しぶりに訪れた“家族水入らずの時間”だった。
25日と26日は浅草で最後の公演があり、海老蔵は都内の自宅から会場入り。そしてようやく休演日となった27日は、麻央(34)にとって待ち望んだ瞬間だったはずだった。だが彼女は早朝から「足が痛くて走れない」と訴える息子の足を診察してもらうため、早朝から勸玄くん(3)を海老蔵かかりつけの整形外科医院へと連れて行っていた。
「スポーツ整形外科や骨折打撲などの外科治療に定評があり、海老蔵さんは体のメンテナンスのために通っています。小児整形の治療でも知られていて、勧玄くんの足の痛みが気になっていた麻央さんは幼稚園を休ませて診察に来ていたようです」(梨園関係者)
そこまで息子を心配する背景には、麻央自身の“苦い経験”があったようだ。9月22日付けのブログには、こんな母の胸中が綴られている。
《今思えば、もっと前から癌にならないように努力できたことがあったかもしれない。主人が私の身体のためにしてくれていた助言にも、もっと耳を傾ければよかった》
乳がんの発見が遅れた麻央は、息子に同じ思いをさせたくなかったのだ。息子を診察に連れて行った10月27日にも、彼女はこう綴っている。
《自分が病気になると 家族には全てにおいて ずっと健康でいてほしいとより強く願ってしまいます》
再入院を控えている辛いがん闘病のなか、自分のことを忘れるように勸玄を心配していた麻央。足の痛みが深刻なものではないと判明し、胸をなでおろしたことだろう。医院から戻ると自宅には海老蔵が。そこで彼女は久しぶりに家族とゆっくりと時間をすごした。
「海老蔵さんは麻央さんが外出できるほど体力を回復できたことをとても喜んでいます。しかしがんは肺や骨に転移しているため、身体が痛くなることもしばしば。それでも麻央さんは、家族の前では“普通のママ”として気丈に振舞っています。そのため海老蔵さんも、あえて身体のことには触れないようにしているそうです」(前出・梨園関係者)
そんな気遣いは、前日26日にも現れていた。麗禾ちゃんを幼稚園へ送り出した後、海老蔵は浅草公会堂の千穐楽に勧玄くんを同伴。そこには彼のささやかな気遣いがあったようだ。
「麻央さんに実家の家族と過ごさせてあげるため、海老蔵さんは勧玄くんをわざわざ仕事場まで連れて行っていたようです。麗禾ちゃんが幼稚園から戻ってくるまでの時間、麻央さんは姉の麻耶さん(37)とお母さんとで“母娘ランチ会”を楽しんでいました」(別の梨園関係者)
海老蔵は10月27日のブログで、『日々の戦い』と題してこう綴っている。
《麻央は懸命に戦っています。私にできることは、仕事を沢山して 家にいる限りは家族と接して、忘れてはならないが、妻が病である事を懸命に忘れるように振る舞っています》
つかの間とはいえ、家族と過ごした何気ない時間。それが、いまの麻央を支えているようだ――。