「小泉今日子さんは、まじめな方だなと思います。あの貫禄はそこからきているんだな、と思いました」
そう語るのは、舞台『シブヤから遠く離れて』(12月9〜25日・渋谷Bunkamuraシアターコクーン)に挑む注目の若手俳優・村上虹郎(19)。舞台で繰り広げられるのは、廃虚になった家に思いを残し、暗い記憶のはざまを浮遊する少年・ナオヤ(村上)と、すべてから逃れようとする不思議な女・マリー(小泉今日子)の愛の物語。そんな舞台の稽古現場にお邪魔し、村上にあれこれ聞きました!
−−役者という仕事について
「仕事を始めたころはつらかったですね。難しいし。わからないんですもん、お芝居って。年齢幅の広い人たちの中で、初心者っていう自分の未熟さと、それを認めないといけないつらさ。全人類に負けている気がして、けっこう悔しいんですよ」
−−怒ることはある?
「どんなに人が悪くても、怒るっていうのは結局、自分の器の問題だと思っていて。自分に怒ることが多いですね。たとえば必要なものがなくて、『どこにいった?』って自分に怒りを感じたり。覚えているつもりで忘れちゃうから。靴下もだいたい左右違いますし。基本的には神経質なはずなんですけど、それゆえに抜けているところがあるみたいです」
−−悲しくなるときは?
「仕事でもプライベートでも、たくさんの人に会って別れるときが悲しいですね。ひとつの作品を終えて別れてしまうときは、自分が大きくならないといけない瞬間ではあるんですけど。もともとさみしがり屋で、人と一緒にいたいっていう性質はありますね」
−−将来、どんな人間になりたい?
「できる限り、楽しそうでいたいです」
−−いまの楽しみは?
「本を読んでいるとき。いままではマンガか詩集しか読んでなかったんですけど、今年に入ってからは物語性のある小説を読んでます。でも、いまはまた岡本太郎の本を読んでるんですけどね。結局そこにいく(笑)。一回、この人の言葉を聞こう、と」
−−最後に、10代最後の舞台の見どころを。
「いま、ここにしかない僕を生で見てほしいです」