(イラスト:ちたまロケッツ)
『お笑い』→『海外ドラマ』→『マンガ』→『ラジオ』の4ジャンルを週替わりで、そのスペシャリストが“最推し”を指南する『今週の萌えガタリ』。今週は『お笑い』ということで、『オモロー山下』として活動した元芸人で、現在はインタビュアー・ライターとして活動するインタビューマン山下さんが最推し芸人を紹介!
【最推し芸人】ひょっこりはん
このネタははやる、ヒットするーーそう思わせる条件というものがあります。
今、もっともその条件を満たしているのがひょっこりはんです。彼のネタは、隠れている場所から「ひょっこりはん!」という掛け声とともに、顔を不意に出すさまで笑いをとるというシンプルなもの。
しかし、バランスボールの陰から絶妙な表情で顔を出したり、ボードの左右どちらから顔を出すかクイズを出し、上から出すというスカシのテクニックを使ったりと、ありとあらゆるバリエーションが用意された、まぎれもないプロのネタです。
その一方で、佐々木希さん、SKE48松井珠理奈さん、斎藤工さんなどの芸能人が、ひょっこりはんのネタをSNSやテレビでマネしています。さらには、赤ちゃんや子犬が、物陰からひょっこり出てきたところを撮影し、後から“ひょっこりはん”という言葉をあてた動画もSNSで話題に。
「マネしたくなる」は売れるうえで大きな条件です。しかも、彼のネタは同じくマネされてブレークしたサンシャイン池崎さんなどに比べ、とにかくマネするハードルが低い。完成度が低くても、決して寒くはならず、最低でも“ほっこりはん”な状態は確保できます。
2つ目の条件として、女子中高生にはやることが挙げられますTWICEのTTポーズも、女子中高生がマネしてブームになりました。
ひょっこりはんも女子中高生に大人気。ティーン向け雑誌『Myojo』『Popteen』から取材が来たそう。撮影時、ひょっこりはんがネタをやると、同席した女子高生モデルが「じわる〜!」と言っていたのだとか。できることなら、じわじわではなく、すぐに笑ってあげてほしいのですが……(笑)。
さらに、ほかの芸人とコラボしやすいことも、テレビに呼ばれる=売れる条件の1つです。たとえばアキラ100%の股下からひょっこりはんが顔を出して、股間を隠すなど、無限の転がし方があります。アキラ100%やとにかく明るい安村のような隠す芸と、ひょっこりはんの出す芸のコラボは、磁石のS極とN極のように相性抜群です。
芸人として売れるには、ネタ以外での能力も重要です。実は彼は、あの風貌にして早稲田大学卒という高学歴。さらに高校時代にソフトテニスで全国大会に出場するほどの運動能力もあり、クイズ番組やスポーツ番組にも呼ばれること必至でしょう。
また、「いないいないばーをやっても笑わなかった赤ちゃんがひょっこりはんをやったら笑った」とお子さんを持つお母さんから感謝されたり、取材を担当した60代のベテランカメラマンが「彼は伸びそうだね」と語っていたりと、独特な風貌は不思議と万人受けします。
赤ちゃんから年配の方まで幅広く愛される、ひょっこりはん。今年はひょっこりはんの笑いが「じわる〜!」こと間違いないでしょう。