5月6日、軽度の心筋梗塞で公演中の主演舞台『おのれナポレオン』を降板した天海祐希(45)。当日はいつもより多く汗を流し、本番後に「胸が痛い」と訴えた。

幸い手術の必要はなかったが、医師から1週間から10日の安静を言い渡され、血液の流れをよくする点滴治療などを受けたという。

厚生労働省による昨年度の調査では、心筋梗塞を含む心疾患による死亡者数はがんに次いで2番目に多い。

これまで心筋梗塞といえば高齢の男性に多い病気というイメージが強く、天海のような40代女性には珍しいとも報じられたが……。

 

「そうした心筋梗塞に対する認識はまったくの間違いです」

こう警鐘を鳴らすのは、真島消化器クリニックの真島康雄院長だ。

 

「若くて痩せている人や、運動をしている人はなりにくいと言われますが、それも誤った認識です。また、糖尿病や高血圧、ストレスなどと関連付けることも、あくまで結果論でしかありません。そもそもの原因は、血管にたまるプラークという脂汚れです。プラークは酸化脂質が沈着することでできるのですが、それが血管を詰まらせ、心筋梗塞を引き起こすのです」

 

血管を詰まらせる原因として、すぐに思い浮かぶのは悪玉コレステロールだが、真島院長いわく、脂汚れのプラークとコレステロールはまったくの別物だという。

 

「そのため、健康診断の数値などで問題がなかったのに、心筋梗塞や脳梗塞が発症するというケースが生じるのです。プラークを取り除く薬はいまのところありません。白血球の一種がプラークを掃除するはたらきをするのですが、まず何より大切なのは、食習慣を見直し、いま以上にプラークを蓄積させないようにすることです」

 

食習慣を見直すことで、長期的にプラークの減少を期待できるそうだ。そのために厳守したいルールは次の5つだという。

1、お酒は一日2合以内に

2、肉の脂肪は摂らない

3、加熱した食用油を摂らない

4、野菜をきちんと摂る(ドレッシングのかけ過ぎには注意!)

5、甘いものを摂り過ぎない

 

また、真島院長は最近ブームの”糖質制限ダイエット”が、心筋梗塞のリスクを高めることにもなり得ると語る。

「炭水化物を控えたからといって、肉や揚げ物類、お酒などは制限しないというのは、あまりにも危険です。体重が落ちたいっぽうで、実際はプラークが蓄積していることもあるのです」

 

体型や健康診断の結果だけでは把握しきれない病気のリスク。まずは食習慣からきちんと見直したい――。

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