元気になれるアスパラギン酸に、ルチンやアントシアニンの抗酸化力。アスパラガスはカラダにたまった“老け成分”を除去してくれるスーパー野菜。国産モノが旬の初夏こそ、食べまくって若返ろう!
「退職後は地元で農家をやろうと決めていました。仕事で携わった霞ヶ浦用水の『畑かん営農』を実践してみたくて」
そう語るのは、茨城県つくば市でアスパラ農家を始めて11年目の染谷隆一さん(69)。かつては、農林水産省の職員だったという。
「ベテラン農家と同じことをしても太刀打ちできません。地元にライバルがなく、将来性のある作物をと考えた結果、アスパラガスになりました」(染谷さん・以下同)
58歳で始めた農業。専門書を読みあさり、研究に研究を重ねた結果、染谷さんのアスパラガスは地元でも評判に。
「春どりものは500円玉ぐらいの太さになるものもあり、本当に甘くておいしい。今朝とったものがあるから、ぜひ、生で食べてみてください」
「アスパラを生で!?」と驚きつつもガブリといくと……なんて、なんて甘いのーー!! フルーツのようにジューシーで、何もつけないままバクバク、気付いたら1本完食していた。今まで食べてきたアスパラガスとは次元が違う!
「ハハハ、おいしいでしょう。アスパラガスは鮮度がよければよいほど軟らかく、おいしいんです。成長がとても速く、暖かくなると1日に10センチ以上も伸びることもあるから、うちでは朝と夕の2回収穫するんですよ」
そもそも、アスパラガスはどのように育つのだろうか。
「アスパラガスの可食部は、たけのこと同じく、若芽。収穫開始から約50日で春どりの収穫は終了し、その後は『立茎栽培』といって、成長した『親茎』を1.5メートル程度で摘芯します。活発に光合成することで、翌年もおいしいアスパラガスができるんですよ。秋に茎が枯れるので全部抜き、土の表面を焼いて、春に新しい芽が出るのを待つんです」
夏はモシャモシャと生い茂り、その栄養が地中の根にわたったら、茎はそのまま枯れてしまう。アスパラガス……なんだかけなげなコ!
「うちでは除草剤は使わず、農薬も極力、控えます。アスパラガスは畑の豚ともいわれるほど肥料を食うので、たいへんです(笑)」
春どりは3月中旬〜5月末で、7〜10月には夏秋どりになる。
曲がったり傷ついたりして出荷できないアスパラガスを、毎日食べている染谷さん。おススメの調理法はアスパラポタージュ。ゆでたアスパラガスを適当な大きさに切って牛乳と一緒にミキサーにかけ、塩、こしょうで調味するだけ。本当に激うま! 新鮮なアスパラガスで、ぜひお試しを。