急増中「痩せた子どもが抜けられない“負のサイクル”」
母親の偏食や小食、誤ったダイエット志向などが影響して、標準体重を大きく下回る子どもがいま増えている。厚生労働省の学校保健統計調査をもとに作成した痩身傾向児の出現率は、‘77年から約30年で女子は11歳で2.3倍に。14歳では1.7倍に増加しているのだ。
「食生活や生活習慣などの後天的要因で、栄養障害に陥っている子が目立っています。意欲や集中力の低下、女子の場合は生理不順や冷えなど心身にさまざまな不調を引き起こす原因にもなるので、要注意です」
そう栄養障害による発育不良の子どもたちの増加に警鐘を鳴らすのは、小松川クリニック副院長で内科・心療内科を担当する櫻本美輪子先生。
そのまま今の食生活を改めなければ、栄養障害を持つ子どもはさらに増え、10代で婦人科通いが欠かせなくなる女子が出てくる可能性も。“たかが食事”と軽視できない問題になっているようだ。
また、ほかにも血糖値の乱高下が原因で起こる「機能性低血糖症」の心配もささやかれている。頭痛、動悸、めまい、吐き気、イライラ、不安、抑うつ気分などの、さまざまな自律神経症状を引き起こし、それが不登校の原因の1つにもなっているという。
「血糖値の乱高下によって、交感神経の緊張状態がほぐれず、睡眠障害が起こってしまうのです。こうなると脳に栄養が回らず、集中力や意欲の低下にもつながります。頑張っているのに成績が上がらない子は、このあたりを改善してあげると驚くほど学習効率がよくなるケースもあります」(前出・櫻本先生)
血糖値は、糖分の多い飲料やスナック菓子を摂ることだけで、一気に上下するという。必要な栄養素を与え、体に悪いものは極力控えさせる。今の子どもたちに最も大切なのは、何よりも親の愛情あふれる食の改善かもしれない。
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