日本で初めて『冬のソナタ』が放送されたのは、’03年のこと。あれから10年、いまだから語れる『冬ソナ』の撮影秘話をキャストとスタッフが明かしてくれた。

 

「『冬のソナタ』は、多くの人々が共感できる作品だったと思います。大ヒットした要因は、若いときの純粋でいちずな初恋の気持ちと、作品の中の郷愁などが、みなさんの心の中に響いたからではないでしょうか」

 

そう語るのは、高校時代からチョン・ユジン(チェ・ジウ)をライバル視し続ける同級生、オ・チェリンを演じたパク・ソルミ(35)。当時、新人女優で演技力が未知数だった。その彼女がチェリン役を射止めることができたのは、“どうしてもこの作品に出演したい”という熱い思いがプロデューサーと作家に伝わったからだった。

 

「撮影は、とても楽しかったです。ただ、真冬の撮影は本当に寒くて大変でした。室内での撮影なのに、セリフを話すたびに、口から白い息がたくさん出てしまうんです。真剣なシーンの撮影だったのに、みんな笑いが止まらなくなり、何度もNGを出したことがありました(笑)。私が自分を信じて、今も女優を続けていられるのも、このドラマのおかげです」

 

プライベートでは今年4月、人気俳優のハン・ジェソクと結婚した彼女。『冬ソナ』が今も多くのファンに愛され、記憶に残っていることについて、「私にとっても胸いっぱいで、幸せなこと」と述べている。

 

「撮影の思い出は、監督に叱られた記憶しかないですね。あんまりにも演技が下手で、監督が望むキャラをなかなか演じることができなくて……。でも当時、僕よりも監督に泣かされていたのが、パク・ヨンハさん。おかげで撮影が終わると、いつも2人で飲みに行きましたよ。焼酎を飲みながら、2人で泣いたこともありましたね(笑)」

 

こう話すのは、『冬ソナ』が初のドラマ出演だったリュ・スンス(42)。ドラマでは、ユジン、カン・ジュンサン(ペ・ヨンジュン)、キム・サンヒョク(パク・ヨンハ)らと、高校時代からの同級生、クォン・ヨングク役を演じた。彼にとって『冬ソナ』は、自身がドラマデビューを果たした作品だけに「『冬のソナタ』が初恋の物語であるように、僕にとってもこの作品は役者人生の“初恋”になるんです。とても大切な存在」と思い入れも強いそうだ。

 

「もう10年なんですね……。僕の中では、まだ5〜6年しかたっていないような感じです。みなさんから『10年ですね』と言われるたび、ビックリするんですよ」と、振り返るのは『冬ソナ』の主題歌『最初から今まで』や、挿入歌『My Memory』を担当し、シンガーソングライターとして一躍、脚光を浴びたRyu(39)。

 

’03年に『冬ソナ』が日本で放送されてまもなく、その甘い歌声が人気を呼び、日本でも歌手デビューをはたした。翌’04年、初の全国ツアーをスタート。同年暮れには日本レコード大賞特別賞を受賞し、NHK紅白歌合戦にも出場した。

 

「日本に来て、初めて歌手としての人生が開けたんです。正直、日本に来る前は作家活動で著作権料がけっこう入ってきていたので、そんな作家生活もいいかなあ、なんて考えていました(笑)。そんな僕が、日本で歌手としての夢をいろんな場でかなえられたのは、本当にラッキーだったと思います。『冬ソナ』は宝物です。『冬ソナ』があったからこそ、今もこうして日本で楽しく仕事ができているんです」

関連カテゴリー: