「自覚症状が出ていなくても、病気のサインは顔に表れています」
こう話すのは『顔を見れば隠れた病気がわかる』(マキノ出版)の著者、「みうらクリニック」の三浦直樹医師だ。
「眉間と目は肝臓、目の下は腎臓、鼻は心臓、頬は肺、唇は胃と腸といった具合に、顔のパーツと内臓には相関関係があります」(三浦先生・以下同)
これらの位置に血色、膨らみ、へこみ、シワ、シミ、吹き出物といった急な変化が見られたら、その関係する内臓に不調が出るという。
自分でチェックできる「顔でわかる病気のサイン」、なかでも重篤な症状につながるものを三浦先生に聞いた。女性はお化粧や外出前などに、鏡を見る習慣があるので、こうした変化に気をつけてみよう。
■肝硬変や肝臓がんなど肝臓の疾患
年齢とともに眉間のシワが気になるが、眉間のシワは「年のせい」だけではなく、肝臓の機能と関係しているという。
現代人には、働きすぎ、ストレス、目の酷使、飲酒、食品添加物の摂取など、肝臓に負担のかかることが多い。しかし、肝臓は“沈黙の臓器”といわれるだけあって、自覚症状が出にくい。ところが、眉間にはしっかりとサインが出ているというのだ。
「肝臓が弱いと眉間の左側に縦ジワが現れます。『眉間のシワが増えた』『溝が急に深くなった』『シワの入っている部分の肌の色が変わってきた』などの変化が表れると、肝機能の著しい低下が考えられます」
また、眉間が赤くなっていると肝炎のサイン。眉間の中央が膨れていたら、肝臓肥大あるいは脂肪肝のサインだ。これらの状態が悪化すると、肝硬変や肝臓がんに進行することがあるというから要注意。
「肝臓の症状が悪化してくると、白目の部分が黄色くなってきます。また右の眼球の斜め上を押して痛みがある場合も、何らかの深刻な状態になっている可能性がります」
次のエクササイズを行ったり、シジミや、梅干しなど酸味のある食品を取ろう。
【エクササイズ】
(1)右の太ももの内側、膝と鼠径部の中心部分を指でほぐす。
(2)右のふくらはぎの内側と足首の中間部分を指でほぐす。
■心筋梗塞などの心臓疾患
心臓にストレスがかかると鼻にサインが表れる。
「もともと鼻が赤い人は、心臓に負担がかかっていたり、高血圧の傾向があります。特に注意してほしいのが、鼻先に毛細血管が浮き出て、赤い筋ができている場合と、鼻が不自然に腫れている場合です。通常の血管が詰まって通りが悪いため、鼻の表面に新しくバイパスを作った毛細血管が浮き出て見えたり、うっ血した血液がたまって鼻が腫れているのです。心筋梗塞や狭心症といった心不全のリスクが非常に高いので、早急に医療機関で診てもらってください」
次のエクササイズをしたり、食事に気をつけるなど、生活習慣を変えていけば、症状は改善されるという。
【エクササイズ】
胸の左上部にある第2、第3、第4肋骨の間を指でほぐして、心臓周辺の血液やリンパ液の滞りを流すようにする。
■白内障・緑内障
鼻と上唇の間の部分が膨らんでいる場合、白内障や緑内障の可能性がある。
「白内障や緑内障は加齢によるものだと思われていますが、実はどちらも原因は目の中の体液の循環の滞りです」
ストレスや自律神経の乱れなどが理由で、鼻から目頭へ通る血液やリンパ液の流れが滞っていることが、膨らみを引き起こしているそうだ。
ぜひ次のエクササイズを試してほしい(ただし、網膜剥離を起こしている人や出血のある人はNG)。
【エクササイズ】
鼻の下あたりを指で押さえ、硬くなっている部分をもみほぐす。左目が悪いと左側、右目が悪いと右側に痛みを感じる。直接、指を歯肉と唇の間に入れてもいい。
血液やリンパ液が流れ始めると、症状の改善が期待できるという。