「日本人には昔から1年間の農作業や秋の豊作を願って、前もって祝う風習がありました。今も続いているお花見や盆踊りは、豊作を祈って行う日本古来の予祝行事の1つなんです。先に喜び、先に祝うことで、その現実を引き寄せる。それを予祝(よしゅく)といいます」
そう教えてくれたのは、『前祝いの法則』(フォレスト出版/大嶋啓介氏との共著)の著者で、心理カウンセラーのひすいこたろうさん。’20年の東京五輪で、日本の文化や精神も今以上に世界的に注目されていく。そんな今だからこそ、ひすいさんは古代日本人がやっていた引き寄せの法則「予祝」を現代に合った形でブラッシュアップして、多くの人に広めたいと考えている。
「予祝の基本は、今の心の状態に◯をつける行為なんです。今◯がなければ、未来も◯はありません。今の自分に対して不平不満ばかりを抱いているなら、未来も自分に足りないことを嘆いているでしょう。幸せになるためには、今満たされていることに目を向ければいいという簡単な原理なんです」(ひすいさん・以下同)
意識的に今満たされていることを喜ぶ機会を持つこと。それが幸せになる第一歩。ただ、幸せになるにも練習が必要だそう。
「今日よかったな、幸せだったなと思ったことを、1日3つ書き出してみましょう。ランチがおいしかった、快晴で爽やかな気候だったなど、ほんのささやかなことでもいいんです。それを2週間続けるだけで、かなり気持ちが変わってくるんですよ」
そうして、幸せを引き寄せるベースができたら、改めて自分の願望を見つめ直してみよう。たとえば、結婚式の日どりが決まっている花嫁は、ダイエットの成功確率が高いのだというが……。
「痩せてキレイになった花嫁は自分の美しい姿にうれしくなるだけではなく、夫にも喜んでもらえる、親兄弟や友達にも晴れ姿を見せられるという具体的な喜びが想像できやすい。ですから、成功しやすいのです。自分の願望は周りの誰が喜んでくれるのかと想像すると、よりかないやすくなるんです」
そのためには、自分の願望を明確にすること。そして、その願望がかなえられたら、どんないいことがあるか、ノートに5つほど、思いつく限り書き出してみよう。
「たとえば、お金がないから夫に昇進してほしいというのはNG。不安ベースの発想ではなく、夫が昇進したら、どんなうれしいことがあるのか、ときめきベースで願望のその先をワクワク想像することが前祝いなのです」
ひすいさんが具体的に、読者の悩みによく効く「前祝い」の儀式のやり方を教えてくれた。
■“子どもの受験”を前祝い。志望校へ一緒に行き、“記念撮影”をしよう!
「志望校に合格したら、どんな部活に入って、どんなことをしたいか。どんな学園生活を送りたいか」などと、子どもに希望を聞いてあげる。志望校に一緒に行き、その学校で記念撮影するのもオススメ。自分も子どもも合格後の学園生活をイメージしやすくなり、いい予祝にもなる。
■“ダイエット成功”を前祝い。“痩せたら着たい服”を買いに行こう!
痩せたら自分に自信と余裕が出て、家族に優しくなり、みんなが幸せに。自慢の母、自慢の妻になって、子どもも夫も喜んでくれるなどと想像する。痩せたら着られそうな“キメ服”を買っておいたり、成功したときの自分へのご褒美も考えておいたりすると、ダイエット成功の近道に!
■“宝くじ当せん”を前祝い。“当せん後の使い道”を細かく決めておこう!
宝くじに当たったら、みんながワクワクするような使い道を具体的に決めておくのが◎。旅行に行きたければパンフレットやガイドブックを見たり、家が欲しければモデルルームを見学しに行くなど。あくまで「お金が欲しい」ではなく、「お金を得たら、何がしたいのか」を考えること。
夫や子どもに対する願望をかなえるには、感謝や許しの心を持って接すると効果的。不平不満を抱いて接していると、相手に伝わり、「この人のためにも頑張ろう」とは思えないからだという。
「願望を本当にかなえたいとワクワクしたら勝ちですよ。どうなったらうれしいのか、常日ごろから自分にどんどん質問するようにしてみてください」
意識的に願望の先の未来をイメージして、幸せを引き寄せよう!