那覇市牧志の竜宮通りにある居酒屋の屋根に突如現れた全長約12メートル、重量200キロ超の巨大伊勢エビのオブジェが観光客や通行人の視線を集めている。「観光客や外国人が記念写真を撮っていく」と、店の新垣亮馬オーナー(31)は想像以上の反響に驚いている。
巨大エビは7月末で閉店した那覇市若狭の老舗「味の店三郎」の外壁に取り付けられていた。「知人から『エビもらう?』と電話があり、食べるエビだと思っていたらこんな大きなエビだった」と話す新垣さん。
当初はあまりの大きさに困惑したが、「子どもの頃、『三郎』の前を通るたびに巨大エビを見上げ、わくわくしたのを覚えている」と振り返り、引き取ることを決意した。
強風に飛ばされるのは避けたいと、台風対策は入念に行った。新垣さんは客寄せ効果だけでなく、屋根のシーサー代わりとしての厄よけパワーにも期待する。
竜宮通り会の島袋幸子会長(79)は「これまで『年金通り』と言われてきたが、最近は若い人たちの店ができてにぎやかになった。巨大エビで通りが一層明るくなった」と話す。
新垣さんは「子どもたちが見に来たり、観光客が写真を撮ったりと、たくさんの人が竜宮通りに来るきっかけになるといい」と笑顔で語った。
(高辻浩之)
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