沖縄科学技術大学院大の今後の在り方を検討する関係者ら=12日、内閣府 画像を見る

 

【東京】内閣府は12日、沖縄科学技術大学院大学(OIST)学園の今後の諸課題を議論する検討会を開いた。財務省が6月に公表した予算執行調査で「高コスト構造」と指摘したことに対して、OIST側が「(他と比べて)高コスト体質だから、それを改めなさいという結論に一気になっている。(コストがかかっても研究水準を高める)政策的な判断、価値判断が見られない」と反論した。世界最高水準の教育・研究拠点を目指すOISTと他大学を比較することに疑念を呈した。

 

高コスト構造の抜本的な見直しを求められたことに対し、OISTは「設立から8年という短期間で卓越した研究成果を上げている」と強調。質の高い論文の割合を調べた英科学誌ネイチャーの調査で、東大を抜いて日本1位、世界で9位になったとし「経費効率は世界の競争相手と同等だ」と訴えた。

 

60人いる教員1人当たりの国の運営費補助額は2億6800万円で、東京工業大の2200万円などに比べて「著しく高い」との指摘に対しては、「教員は研究員を雇用して研究を行っている。その人数も含めれば研究者は301人に増え、1人当たり補助額は5300万円まで下がる」とした。補助額はカリフォルニア工科大よりも低いという。

 

外部資金の獲得拡大を求められたことに対しては、政府補助の安定的な研究資金「ハイトラスト・ファンディング」が国際的な競争力につながっていると説明。海外の優秀な研究者を引き入れることに力を入れる中「日本に来てまで外部資金を自分でとってきて研究しろ、では一級の研究者は来てくれない」と理解を求めた。

 

検討会では、2020年度概算要求でのOIST関係分について、研究費を含む運営費に162億5千万円、第5研究棟の建設などに40億5千万円を要求していることが説明された。

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