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足先が冷たい、足がしびれる、なんだか足に痛みがある……。そんな気になる症状があっても、厳しい寒さのせい、と流してしまうのはとても危険だ。

 

「足に慢性的な痛みや冷えが出る人は、足に動脈硬化が起こっている可能性があります。動脈硬化は血管の内側が詰まって血流に障害のある状態のことで、心臓の血管にこれが起こると、胸の痛みや息切れなどを起こします。これが狭心症の症状です。足先の痛みや冷えは、いわば“足の狭心症”ともいえるのです」

 

こう話すのは、下北沢病院副院長で血管外科医の長崎和仁先生だ。足の狭心症は、高齢化が進むにつれて、注目度が高まっている疾患なのだという。

 

「足の狭心症が重篤化すると、足の組織が腐ってしまう壊疽となり、足切断のリスクも高くなります。やがて心筋梗塞や脳梗塞を招く恐れもあります。さらに、女性は男性より血管が細いため、一度症状が出ると急速に悪化し、予後もよくない傾向にあるので注意が必要です」(長崎先生・以下同)

 

足の狭心症は、いわば心筋梗塞の前ぶれでもある。冒頭の異変は、その症状が疑われるものだ。

 

「足の動脈硬化の段階は大きく4つに分けることができます。第1段階では冷え、しびれといった症状が現れます。第2段階では、歩いているうちにふくらはぎが重だるくなったり、痛みが出るようになります。200メートルを休まずに歩けるかどうかが1つの目安です。さらに進行した第3段階では、寝ているときなど足を動かしていないときにも痛みが出ます。ここまでくると、日常生活にもかなりの支障が出てきます。そして、最終の第4段階が壊疽です。ここまでくると末期で、足の切断の可能性が高くなります」

 

症状が軽いうちに発見したいところだ。次のチェックリストに1つでもあてはまる人は、予備群の可能性があるそうだ。

 

【「足の狭心症」のチェックリスト】

□ 足の甲で脈がとれない
□ 足にしびれがある
□ 足が赤、青、白、黒のいずれかの色が見える
□ ふくらはぎに痛みがある
□ 傷ができても治りにくい
□ 足が冷たい

 

血液を押し出すポンプの働きから“第二の心臓”ともいわれるふくらはぎを動かす機会の少ない人は、足の狭心症の発症リスクが高くなるという。

 

「女性自身」2020年2月4日号 掲載

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