スポーツをする高校生の集大成となる県高校総合体育大会の延期が決まった。8月の全国高校総体(インターハイ)の実施いかんによっては中止を含め、再度検討される。県総体を最後に部活動を引退する3年生も少なくなく、選手や指導者らにとっては気をもみ続ける日々が続くことになる。新型コロナウイルスの感染が広がり、中止含みで開幕日が近づく中、選手らの気持ちを受け止めた県高体連が開催への望みをつないだ。22日付で就任した県高体連の上地勇人会長は「3年間頑張ってきた生徒のことを考えると、ぜひ開催したい思いがある」と説明。一方で、県内の感染状況は緊迫感を増しており「今は感染症を終息させることが一番。できるだけリスクを減らして開催できるよう努めたい」と無観客開催を含め、実施に向けて最大限の努力をすると強調した。
高体連の上地勇人会長の会見での主なやりとりは次の通り。
―他県では中止と判断した地域もある。開催に前向きな考えか。
「3年間頑張ってきた3年生のためを考えると、延期としてでもぜひ開催したい。この状況がいつまで続くか分からないので、慎重に判断したい」
―全国総体が中止になった場合、県独自での開催もあり得るのか。
「全国高体連の判断後、再度検討する」
―延期可能な期限は。
「各専門部の全国総体への申し込みが6月中旬から7月頭。それまでに開催して代表を決定したい」
―6月中旬までに代表校を決めるためには、いつまでに競技施設に連絡しないといけないか。
「現段階で各施設が休業中なので、予約の確認が取れていない。施設の再開と同時に各専門部で予約や申し込みの締め切り時期の設定、監督会議、抽選会の日程調整が必要になる」
―開催の場合、期間は。
「競技によって実施時期がばらばらになる。会場が抑えられる時にしかできないので、従来より長くなると思う」
―無観客での実施もあるか。
「当然、検討項目にある。感染リスクを減らし、開催できればと思う」
―九州大会は中止になった。従来、九州予選のある競技の代表選考は。
「陸上や水泳は標準突破記録での選考もあるということも聞いている。各専門部で検討することになる」
―生徒へのメッセージを。
「部活動もできず不安な日々を過ごしているとは思うが、今は新型コロナウイルスの感染を終息させることが一番大切。不要不急の外出は避け、できる範囲の自主トレーニングに励み、学校が再開した時に自分のパフォーマンスを発揮できるよう準備してもらいたい。生徒の夢や希望をかなえられるよう全力で支援していきたい」