新型コロナウイルスに関するニュースに触れた時の感情を、黒板にプレートを貼って表明する寄宮中学校の生徒=21日、那覇市長田の同校 画像を見る

 

感染者や医療従事者への差別など、新型コロナウイルスから派生する社会問題を知り、正しく恐れる姿勢を身に付けてもらうため、那覇市立寄宮中学校(前田比呂也校長)は学校再開初日の21日、2、3年生の全学級で一斉に道徳の授業を行った。生徒らは差別が起こる背景を考え、ウイルスとの向き合い方を学んだ。

 

「ウイルスには三つの顔があります。一つは病気そのもの、二つ目は不安と恐れ、三つ目は嫌悪・偏見・差別です」

 

担任は知らず知らずのうちに受けているウイルスの影響について語り「不安や恐れは人間が生き延びようとする本能。不安を膨らませて差別するのではなく、確かな情報を知って広めよう」と呼び掛けた。

 

授業では、看護師が「近づいたらうつる」と陰口を言われたことなど、差別や偏見の事例を紹介。生徒は授業前に感じていた不安な気持ちと、担任の話を聞いた後の気付きをワークシートに記し、自分の感情と向き合った。

 

3年の男子生徒は授業後「最初は怖いという気持ちが強く、感染者と関わりたくないと思っていた。しかし、感染した人も感染したかったわけじゃないし、自分が感染する可能性もある。不安を大きくせず差別をなくしたい」と語った。

 

前田校長は「ウイルスとの闘いなのに、人と人が争う状況が生まれている。未知の事態に対応できる判断力をつけられるようにしたい」と語った。

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