新型コロナウイルス感染症で大きな影響が出ている、沖縄県那覇市の国際通りの土産物店などで、裏面にメッセージが印字されたレシートが使われている。「心からありがとう」「きっと大丈夫 乗り越えよう!」。温かい言葉には訪れた観光客だけでなく、店頭で働く従業員に向けた感謝とエールの思いが込められる。レシートでのメッセージは県内企業が考案した。約32万人が手にする予定という。
レシートの応援メッセージを考えたのはPOSレジシステム開発などのレイメイコンピュータ(那覇市、知念正和社長)。新型コロナの影響を受ける国際通り周辺の店舗のために何かできることはないか考え、レジロール紙の裏面に4カ国語で感謝の言葉を印字し、5月下旬から無償提供することを思いついた。休業中の店舗には今後提供する。
対象は国際通りや周辺店舗約40店にそれぞれ20巻、合計800巻。レジロールは1巻64メートルで、レシート1枚が平均16センチのため、32万人がレシートを手にする計算になる。レイメイ社の比嘉徹会長は「沖縄経済を支えた観光業の一日も早い復興を後押ししたい」と語った。
観光関連業者が打撃を受ける中で、来店した消費者へ感謝の気持ちをメッセージに込めた。感染症対策が求められる中、人との接触が避けられない店舗の従業員に「#コロナに負けるな沖縄」と応援するメッセージも加えた。
御菓子御殿国際通り松尾店は営業再開した1日から提供されたレジロールを使っており、買い物客からの反応も良いという。同店舗の比嘉憂香さん(25)は「1カ月くらい休業していて気落ちしていた。『頑張ろう』という気持ちになれてうれしかった」と笑った。(仲村良太)
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