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物議をかもした「Go To Travelキャンペーン」に続き、「Go To Eatキャンペーン」が9月をめどに始まる。そんなGo To Eatキャンペーンには、巨額の予算や開始時期に疑問の声も上がっている。経済ジャーナリストの荻原博子が解説してくれたーー。

 

■問題山積みのGo To Eatキャンペーン

 

Go To Eatキャンペーンとは、新型コロナ感染を予防しながら営業する飲食店を応援する施策で、2つの取り組みがあります。

 

1つ目は、プレミアム付き食事券の発行です。地域の飲食店で使える1万2,500円分の食事券を、1万円で販売するというものです。

 

2つ目はネット予約によるポイント付与です。登録店にネット予約した方に、次回以降に使えるポイントを、昼食時間帯は500円分、夕食時間帯は1,000円分付与します。

 

これらは’21年1月末までの期間限定で、コロナ禍で沈んだ消費の呼び起こしを目的とする「Go To キャンペーン」の一環です。経済支援は大切ですが、キャンペーンそのものに問題山積みです。

 

【1】予算規模

Go To全体の予算は約1兆7,000億円。同じ補正予算に盛り込まれたPCR検査の拡充など医療機関への支援、約1兆8,000億円とほぼ同じ規模です。もっと医療支援に予算を回していれば、現状は違ったかもしれません。

 

【2】支援するお店の選定

8月11日、東京都が進める虹模様の「感染防止徹底宣言ステッカー」を掲示する店でクラスターが判明。その後、虹ステッカーは店側の自己申告で掲示できるとわかり、信用が揺らいでいます。

 

Go Toでは支援対象の予防対策をどう確認するのか、明らかにしてほしいと思います。

 

【3】莫大な委託費

キャンペーン実務の民間委託も大問題です。委託費は、Go To予算の約2割、3,000億円超。持続化給付金での再委託問題などもあり、“利権”を疑いたくなるのは当然でしょう。

 

なにより、本当に困窮する方に支援が届かないことが最大の問題です。Go Toだと、生活がギリギリで旅行にも外食にも行けない方には何の恩恵もありません。

 

今後、コロナ関連で倒産する会社も増え、経済はますます冷え込むでしょう。経済破綻が原因の「経済死」を1人も出さないように、国は血税の使い道を、精査してほしいと切に願います。

 

「女性自身」2020年9月8日 掲載

経済ジャーナリスト

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