コロナから日常を取り戻すために、もっとも期待されているのがワクチンの開発。米国では12月中には接種が始まるという。日本にはいつ入ってくるの? 最新事情を聞いたーー。
「ファイザー が12月にも米国で承認されれば、年内は流行が深刻な米国と欧州に優先的に供給されるでしょう。海外で良好なデータが得られれば、年明け早々にでも日本国内での手続きが進むと思います」
そう語るのは、米国国立研究機関の病理専門医・峰宗太郎さん。日本に供給される予定のワクチンは、米国の製薬会社であるファイザーとモデルナ、英国のアストラゼネカのワクチンで、3社から合計1億4,000万人ぶんを調達する予定だ。
現在、日本国内ではファイザー、アストラゼネカが、第3相試験まである治験の第1、2相試験中、モデルナは準備段階だ。
「今回は緊急性も要しているので、日本国内の治験は簡略化されるでしょう。新型コロナ治療薬として、抗ウイルス薬のレムデシビルがスピード承認されたように、海外の治験データが参考にされることになるはず。最短であれば、1月後半から2月前半くらいに承認されるのではないかと予想します。2月初めくらいから、まずは医療従事者や重症化リスクのある高齢者から摂取開始されるのではないでしょうか。ワクチン接種は公費負担される見通しなので、無料となる予定です」
菅義偉首相(71)は「来年前半に国民全員の数量を確保」と語った。五輪前の6月ごろには国民に行き渡る見通しだ。ただ、注意したいのは接種開始となっても、直ちに日常が戻るわけではないということ。
「接種者はある程度自由な行動が可能になると思われますが、未接種者はしっかりと感染対策をしなければなりません。日々の感染対策を行いながら、ワクチンによって地固めをしていくイメージです」
また、開発されて間もないために、抗体がどれほど長く維持できるかも未知数だという。
「1年に1回の接種なのか、数年に1回なのか、数カ月に1回接種する必要があるのかは、今後の経緯を見る必要があります」
安全面、有効性を見ても、ワクチンがコロナ禍終息への希望の光であることは間違いない。しかし、現在の“第3波”はワクチンなしに乗り切らなくてはならない。
「重症者数の推移を見ると、医療崩壊が現実的になってきました。個々の徹底した感染対策が求められます」
「女性自身」2020年12月15日号 掲載