『愛の不時着』で北朝鮮の将校役を熱演したヒョンビン(写真:アフロ) 画像を見る

‘20年は韓流ドラマ人気が再燃した年となったが、ブームを牽引した俳優たちの圧倒的な存在感がヒットの根底にはあるようだ。

 

「今年最大のヒット作となった『愛の不時着』。極限状態で愛する人を守り抜くヒョンビンの姿に、多くの女性が胸をときめかせました。長身でスラッとした軍服姿に魅了された人も多かったようですが、湖上でピアノを演奏するシーンも『幻想的で美しい』と話題になりました」(韓流雑誌ライター)

 

『愛の不時着』で北朝鮮の将校、リ・ジョンヒョクを演じたヒョンビン。ピアノを演奏したのはスイスのブリエンツ湖の桟橋だったが、ドラマ内では他にも演奏するシーンがある。ここで素朴な疑問が湧いてくる。ヒョンビンって、ピアノ弾けるの?

 

「大スターの仲間入りをした‘05年のドラマ『私の名前はキム・サムスン』で、レストランオーナーを演じたヒョンビン。ヒロインのキム・ソナが歌う『美しい人』という韓国で70年代にヒットした歌謡曲の伴奏をするシーンでも実際に弾いていました。幼少期にピアノを習っていたそうで、撮影前にもかなり練習したそうですよ」(前出・韓流雑誌ライター)

 

『青春の記録』もこの秋話題を呼んだ韓流ドラマだが、主演のパク・ボゴムも17年に日本で行われたファンミで、ピアノ演奏しながら徳永英明の『レイニーブルー』を流暢な日本語で歌っている。

 

「初めて日本で開いたファンミでしたが、甘い歌声とピアノの調べに多くのファンが酔いしれていました。デビュー前はシンガーソングライターになる夢があったそうで、ピアノ演奏しながら歌う映像を作成しては芸能事務所などに送っていたそうです。彼は、高校卒業後は大学のミュージカル学科に進学しています」(前出・韓流雑誌ライター)

 

ヒョンビンにボゴムも!韓流イケメン俳優はなぜピアノ上手?
画像を見る 『青春の記録』の主演でこの秋話題を呼んだパク・ボゴム(写真:アフロ)

 

ちなみに今秋公開された映画『82年生まれ、キム・ジヨン』に主演したコン・ユも、ファンミでピアノ演奏を披露している。

 

『愛の不時着』に次いで話題となった『梨泰院クラス』。主演のいがぐり頭のパク・ソジュンも‘18年のドラマ『キム秘書はいったい、なぜ?』でピアノを弾きながらプロポーズするシーンを完璧にこなしている。しかしながら、このシーンだけでは彼が実際にピアノを弾けるのかは判然としないのだが……。

 

それにしても、他にも、ユ・アイン、ソ・ガンジュン、チュ・ジフンなどなど、ピアノを弾ける俳優が韓国にはやたらと多いのだ。なぜなのか?

 

「ピアノは韓国の習い事の人気上位に常にランクインしています。やはり女の子が多いですが、男の子も日本に比べて抵抗感が少ないようです。通学用の専用バスを持っているピアノ塾もあり、平日は毎日通うので、家にピアノがなくてもいつでも塾で練習できるんですよ」(韓国在住ライター)

 

確かに、ヒョンビンも幼少期にピアノの習い事をしていたという。さらには、韓国のドラマ・映画事情も影響しているのでは、と前出の韓流雑誌ライターは言う。

 

「日本と比べて、どうしてもドラマや映画で財閥を取り上げたり、テーマが貧富の差であったりすることが多いように思います。そんな時に上流家庭をイメージさせることができるピアノはキャラ設定で使いやすいのです。その代わり、役を振られた俳優は大変です。ピアノを習っていた人はいいのでしょうが、そうでない人は苦労するそうですよ」

 

ユ・アインは‘14年のドラマ『密会』で天才ピアニスト役を演じたが、その撮影時の苦労を共にしたプロピアニストからこう絶賛されている。

 

「ユ・アインさんはピアノを習ったことがなかったのに、難しい曲でも翌日になると覚えてくるのを見て、物凄い努力家だとわかりました」

 

韓国特有の習い事事情や劇中の設定などに加えて、俳優本人たちの血の滲むような役作りへの努力が、様々な作品で目にする胸キュンなピアノ演奏シーンには秘められていたようだ。

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