南城市に焼き芋の自動販売機があるそうですが、温かいのだけでなく冷たい焼き芋も販売していると聞いて驚きました。本当でしょうか? なかなか南部に行く機会がないので調べてください。
(北谷町 スイートポテ子)
自販機の焼き芋については以前から気になっていましたが、実は調査員もまだ食べたことがありませんでした。焼き芋といえば、ほっかほかのイメージがあると思いますが、こちらの自販機では冷たい焼き芋も販売しているんですよ。
障がい者が生産、加工
焼き芋の自販機は、南城市玉城仲村渠の神谷産業玉城支店の入り口にあります。いますぐ食べたいという気持ちを抑え、代表取締役の神谷善高さんを訪ねました。
さっそく、こちらの焼き芋について伺うと「スイーツ感覚で食べられるような甘さとおいしさがあります。結構、糖蜜が多い感じですね」とのこと。聞いただけでもおいしそう!
自販機は昨年1月に設置。焼き芋は、宮崎県の農福産業から真空パックされたものが常温で届きます。それを神谷産業では、季節に応じて温かい焼き芋と冷たい焼き芋の割合を考えながら自販機に投入します。
ちなみに農福産業はできるだけ障がい者を採用し、生産や加工などの仕事を通して彼らの所得向上に貢献している会社だそうです。
外国人にも好評?
リピーターが多く、中には外国人も焼き芋を購入している様子。神谷さんによると、近所の眼科によく外国人がやってくるらしく、そのうちの誰かが自販機の焼き芋を食べておいしかったから、口コミで広がったのではと推測。そういえば自販機に英語で注意事項が記載されていましたが、外国人もよく利用するからなんですね。
「自販機を設置した当初は、月に100缶ちょっと超えるくらいの売り上げでした。でもこの1年余りでどんどん上がって、いまは200~250缶くらいかな」と話します。
また、近所に用事があって焼き芋を購入したという女性から、「県外にいる孫たちに送ってあげたいので常温のものを20個売ってくれませんか」と電話があり、わざわざ浦添から買いにきたこともあるそうです。よっぽどおいしかったのでしょうね。
と、ここで神谷産業の社員が冷たい焼き芋を持ってきてくれました。一口大にカットされ、お皿の上で上品に並んでいます。それでは、いただきます―。
「甘い!」
感動する調査員に神谷さんは「ね、普通の焼き芋と違うでしょ」と笑顔を見せます。これまで焼き芋の皮はむくものだと思っていましたが、これは皮ごと食べても違和感がありません。いやぁ~、冷たい焼き芋もおいしいですね。
神谷さんは「自販機の設置場所が増えて、多く売れるようになったら加工業から手掛けたい。そのときは障がい者の雇用も考えています」と話しました。障がい者の働く場所、収入が増えることを期待します。
現在、焼き芋の自販機は南城市の他、那覇市大道の安里バイパス給油所にもあるそうですよ。
〈自動販売機設置の問い合わせ〉
有限会社 神谷産業 玉城支店
担当:専務取締役・神谷健(つよし)さん
(2021年5月20日 週刊レキオ掲載)