「『ダイバーシティ』をキーワードとし、組織の活性化を目的に、外国籍社員の積極的な登用を続けています」
これは牛丼チェーン・吉野家の新卒者向け採用サイトに掲載されている文章だ。「20名以上の外国籍社員が働いている」「新たな価値観や発想を吉野家に取り込むことで、社内にさまざまな意識改革をもたらしてくれることを期待しています」とも綴り、“外国籍積極採用”をアピールしている。
しかし5月3日、あるTwitterユーザーの投稿によって衝撃の実態が明らかになった。
大学生のAさんは吉野家の会社説明会を予約したところ、「外国籍の方の就労ビザの取得が大変難しく、ご縁があり内定となりました場合も、ご入社できない可能性がございます」「従いまして、大変申し訳ございませんが、今回のご予約はキャンセルとさせていただきたきますことをご了承ください」とのメールが送られてきたというのだ。
続けてAさんは「ハーフだけど日本生まれ日本育ち国籍日本なのに」と投稿。そこでAさんに話を聞くと、「私は日本国籍なのですが、姓名ともにカタカナであることから外国籍だと判断されたようでした」とのこと。
採用サイトでは“外国籍積極採用”を謳っていながら、説明会の段階で学生を拒否した吉野家。一体どういうことなのだろうか?
吉野家は5月6日、「ENCOUNT」の取材に対し経緯を説明。「技術・人文知識・国際業務によるビザの取得は非常に困難であり、内定取り消しをせざるを得なくなったことが一定程度ございました。ビザの取得をできず内定を取り消された方の心象をおもんぱかるあまり、外国籍の方は新卒の会社説明会のご応募をいただいても参加をやむなくお断りしておりました」と“外国籍門前払い”を釈明した。
名前の表記から勝手に外国籍だと判断したことについては、「参加申込情報から外国籍と思われる方へは本来、まず連絡をすべきところ、連絡の過程において不備がございました。誠に申し訳ございませんでした」と謝罪している。
一方的に外国籍だと決めつけて学生を排除し、さらには採用サイトで謳っていた「外国籍社員の積極採用」とは大きく異なる採用を展開していた吉野家。インターネット上では非難が殺到している。
《吉野家は名前で勝手に国籍判断して説明会参加を拒否したことが問題だし、採用サイトで外国籍社員の活躍を掲載しながら外国籍排除してるのも問題だと思うけどなんで問題じゃないって思うんだろう?》
《一方で外国籍者の採用に積極的であるかのように喧伝し、一方でビザの問題があるからと門前払いというのはどうなのか》
《確信犯の嘘つき企業じゃん》
“生娘シャブ漬け”発言に続き、世間を騒がせる吉野家。信頼回復はできるのだろうかーー。