2009年1月、参院本会議で代表質問に立った山下八洲夫容疑者(写真:共同通信) 画像を見る

現職の国会議員になりすまし、東海道新幹線のグリーン券をだまし取ったなどとして、5月8日に詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕された元参院議員の山下八洲夫容疑者(79)。

 

報道によると、山下容疑者は4月27日に、偽造した国会議員用の申込書をJR東京駅の駅員に提出。現職の自民党員の名前を使用し、東海道新幹線のグリーン券2枚をだまし取ったという。

 

調べに対して山下容疑者は、「議員時代のことが忘れられなかった」「今回が初めてではない」などと供述したと報じられている。

 

山下容疑者は2010年の参院選で、岐阜県選挙区から立候補するも落選。その後、立憲民主党岐阜県総支部連合会の常任顧問に就いていた。

 

立憲民主党の泉健太代表(47)は9日午前にTwitterを更新し、《現在詳細は不明ですが、事実ならば決して許される行為ではありません。皆様に深くお詫び申し上げます。今後、事実関係を確認し、厳正に対処してまいります》とツイートし謝罪。

 

その後、同日午後に同党岐阜県連が、山下容疑者の解任と一般党員の身分を除籍したことを発表した。

 

「議員時代のことが忘れられなかった」と供述したという山下容疑者に、ネット上では批判の声が上がっている。

 

《国会議員時代に甘い汁を散々吸ってきたのが忘れられないだと?? 国会議員を変に優遇し過ぎるから、こういう奴が出てくる》
《まさか他人の名前、しかも他の議員の名前を勝手に名乗って詐取行為を繰り返していたとは…ちょっと酷いですよこれは》
《10年以上も前に落選しているにも関わらず「鉄道乗車証」を落選した議員が保有したままであった事も問題。運用ルールも甘いと思う。また「鉄道乗車証」は必要なのかな?と思う。こういうズルをしているのを見ていると現役議員に関しても疑いの目を向けてしまう》

 

新幹線に無料に乗れるなどといった“議員特権”を巡っては、これまで「文書通信交通滞在費(文通費)」の存在も問題視されてきた。

 

「国会議員は毎月の報酬とは別に、月100万円の文通費が支給されてきました。この経費は非課税で、かつ領収書や使途の報告など不要なため、“第2の給与”と皮肉られていました。

 

『公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため』との名目が掲げられてきましたが、私設秘書の人件費や選挙活動などに充てられていたりと、長年問題視する声は多く上がっていました。

 

さらに、2021年の衆院選では投開票日が10月31日だったため、初当選した新人議員の在職日数が1日しかないのに満額支給されたのです。これが世論の猛反発を呼び、与野党で法改正が進められることになりました。

 

4月15日に、日割り支給にする改正案が可決。同月24日投開票の参院石川選挙区補欠選挙の当選者から適用されました。名称も『調査研究広報滞在費』に改め、使途の範囲も拡大されることになりました。

 

しかし、『使途の明確化や公開』『未使用分の国庫返納』については盛り込まれず、6月15日の会期末まで議論がなされる見通しですが、現状では与野党が合意する目途はまったく立っていません」(全国紙政治部記者)

 

問題が残るも依然として適用される“議員特権”に、「廃止すべき」と厳しい声が相次いでいる。

 

《国会議員に、特権や特例があるのがおかしい。廃止すべきだ》
《国会議員は優遇されすぎ。それなりのお給料をもらっているんだから、グリーン車代金などは自腹でどうぞ》
《やはり、国会議員の諸費については透明性を持たせる必要がありますよ》

 

10年以上経っても元議員が忘れられないほどでは、政治家たちが“特権”を簡単に手放すとは思えないがーー。

出典元:

WEB女性自身

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