英国から悲しい知らせがもたらされた9月9日、天皇陛下と雅子さまは、来日していたパラオのウィップス大統領夫妻と皇居・御所で会見された。第二次世界大戦中に日本の統治下にあったパラオでは、ペリリューの戦いなど、日米両軍に多数の犠牲者を出す激戦が繰り広げられた。戦火に倒れた人々への“慰霊の旅”を続けてこられた上皇ご夫妻が2015年に訪れたこともある。
そんなパラオの大統領夫妻とお会いになられた雅子さまのご表情には、美智子さまから引き継がれた平和への願いのみならず、国民に愛される皇室を目指す“令和流”を再スタートさせる決意に満ちていたーー。
「宮内庁が、来年度予算の概算要求のなかに、SNS担当の参事官ポストの新設と職員2名の増員を盛り込みました。これは、雅子さまの改革へのご意欲が大きく表れているものだと感じています」
こう話すのは、ある宮内庁関係者だ。雅子さまが進められる改革の柱と目されているのが、SNSを用いた情報発信なのだという。
「陛下と雅子さまは、即位される前から、SNSの導入について前向きなご姿勢でした。陛下も、海外の訪問先で外国首脳や一般人からのセルフィー(自撮り)の申し出に応じられたりと、新しい情報発信への関心はかねてお持ちになられていました」(前出・宮内庁関係者)
欧州王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんは、以前からSNSを情報発信に積極的に活用してきた英国王室のスタイルが参考になってくると指摘する。
「ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃は、お子さんの誕生日に写真を自身のインスタグラムで公開することを恒例としています。ご一家の屈託のない自然な表情を、英国民は楽しみにしていて、王室への親しみを広げるうえでSNSを大いに役立てています。
天皇ご一家がそろってご養蚕の作業をなさっているお写真を7月に宮内庁が発表し、話題を集めたばかりです。そうしたご家族の仲のよさを発信するうえで、SNSを活用すれば、国内外に素早く伝えることが可能になるでしょう」
愛子さまはスマートフォンやSNSを使いこなす世代。“国民に愛される皇室改革”を推進するうえでは、愛子さまの存在も重要になってくる。皇室担当記者は、
「愛子さまは“オンライン通学”を続けておられますが、LINEなどを用いてご友人たちと交流されています。雅子さまも愛子さまのアドバイスを得て、インスタグラムなどのSNSで私生活の一幕を公開するような発信もお考えになっていると聞きます。
ご養蚕などの宮中のお仕事、テニスやスキーを楽しまれるお姿、さらには大学卒業後に計画されているという愛子さまの海外留学のご様子などを投稿していくことで、皇室に対する国民の親しみを広げることができるでしょう。
SNSを用いれば、より幅広い世代の人々へ発信が可能になります。また、大災害が起きたときに、いち早く被災者に励ましのお気持ちを示すことができるはずです。“より国民に愛される皇室を”という雅子さまのお気持ちを形にするうえでも、今後皇室がSNSを利用することは大きく役立っていくと思います」