11月末、台湾の中央流行感染症指揮センターは、台湾への入境者数の上限を12月10日から撤廃すると発表しました。 これまでも徐々に入境者数の上限を増やしてきましたが、感染者数の減少や年末年始、春節(旧正月)で出入国者数が増加することを受けてのようです。また、12月からマスクの着用規定を緩和することも発表。屋外でのマスクの着用義務が撤廃されます。ここ数年、台湾への旅行を我慢していた人も多いと思いますが、にぎやかな時季の台湾をマスク無しで過ごせるなんて、一気に旅行気分が膨らみますね。
■もし路上に赤い封筒が落ちていたら……台湾の人は拾わない!
きっと楽しい台湾旅行、歩いていると、ふと道に小さな赤い封筒が落ちている……のを見つけるかも。それ、「紅包(ホンパオ)」かも。紅包は、台湾や中国でお年玉などを入れるご祝儀袋、ポチ袋。だからといって「お金かも」と拾おうとしちゃう人は要注意! 拾うと、周りに隠れて見張っていた人たちに取り囲まれ、逃げられないようにされ「死んだ人との結婚」に同意したとみなされるといいます。封筒をもとに戻しても、なかったことにはできないそう……。
■台湾の一部で今も残っているという風習「冥婚」
落ちていた封筒の中身は、死者の顔写真や髪の毛、爪など。これを道に置き、見張っていた人たちは、死者の遺族。これは「冥婚」という台湾の一部で今も残るという風習です。独身のまま亡くなってしまった死者を生きている者と”結婚”させる。生前に婚約者がいた場合は婚約者と冥婚を執り行い、婚約者も同時に亡くなった場合は死者同士で冥婚を執り行うそう。しかし、婚約者のいなかった者が独身のまま亡くなった場合、死者の顔写真、髪の毛や爪、現金などを紅包=赤い封筒に入れ、道端に落とし、拾う者が現れるのを待つといいます。
現在の台湾では、この冥婚の風習は減少しつつあるそうですが、比較的最近、現地在住と思われる日本人ユーザーが、赤い封筒の目撃と落ちている写真をツイートし、話題になりました。対象は男性が多いそうですが、女性もご注意! 外国人で言葉が通じないから、との言い訳も通じないことがほとんどというので……。台湾の人々は、万が一にも自分が冥婚に巻き込まれないよう、路上に落ちている封筒は拾わないように小さいころから言い聞かせられているそうです。人気観光地の台湾を訪れる際は心の片隅に留めておいたほうがいいかも知れませんね。