天皇陛下と雅子さまは、3月24日、皇居・御所で献身的に活動してきた医療従事者に贈られた「第51回医療功労賞」の受賞者10人と面会された。陛下は、「国内のさまざまな地域で厳しい環境の下、医療行為に携わり、苦労の多い日々を過ごされたことと思います」と労われたという。
この日、天皇陛下と雅子さまはマスクを着用されている。コロナ禍となって以降、天皇陛下と雅子さま、長女の愛子さまがマスクを外されている場面はほとんど見られない。それは、政府が3月13日以降にマスク着用について“個人の判断が基本”としてルールを緩和して以降も変わらないのだ。
「陛下をはじめ、皇室のみなさまはその場その場でマスクを着けるか着けないかを判断しています。宮内庁で着用基準を統一しているわけではなく、職員が行事や接見などのたびに、行われる場所の広さ、参加する人数、相手の年齢や体調、また行事そのものの性質などを勘案して検討した内容をもとに、天皇陛下や皇族方が最終的にマスクを着用するか否かを決められていると聞きました」(宮内庁関係者)
昨年9月、エリザベス2世の国葬に参列されるため、両陛下は英国を訪問された。この時、コロナ禍以降初めて行事に“ノーマスク”で臨まれたことが話題になった。
「両陛下はロンドンのスタンステッド空港に到着した時には黒いマスクを着用されていましたが、ウェストミンスター寺院で執り行われた国葬や、前後に催されたレセプションにはマスクをせずに参加されました。英王室メンバーや他の王族・元首がマスクをしておらず、またその場の雰囲気を尊重され、外すことを決められたそうです。
マスクを外すことに消極的になっているのではなく、現状に合わせて着用するかどうかお決めになっているということです。これは他の皇族方もそれぞれご自身で側近と相談して判断されています。たとえば、秋篠宮ご一家はご公務でマスクを外される場面が増えてきた印象があります」(皇室担当記者)
3月18日、秋篠宮ご夫妻はものづくりの技を競う国際アビリンピック(障害者技能競技大会)に出場する日本代表選手団らと面会された。ご夫妻は30名超の参加者と和やかにご懇談されたが、終始マスクを外して臨まれていた。
「十分に換気が行える場所であったことなどから、ご夫妻はマスクを外されてご懇談に臨まれていました。秋篠宮さまは理学博士の学位をお持ちですし、全国約400の医療・福祉施設を運営する済生会の総裁として、新型コロナウイルスが国内に入ったかなり早い段階から最新の研究結果をお聞きになっておられます。こうしたご自身の知見から、マスクの着用有無を具体的に検討されているのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
マスク着用のほか、これまで実施されてきた行動制限は徐々に緩和され、政府は5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを「5類」へと引き下げる。社会全体がコロナ禍前の正常化に向けて進み始めているが――。
「天皇陛下は、コロナ禍で献身的に働いてきた医療従事者への配慮や敬意を強くお持ちになっています。また、重症化リスクからマスクを外しにくい人々への立場にもずっと心を寄せていらっしゃいます。
むろん、秋篠宮さまも陛下と同じ気持ちをお持ちです。いっぽうで、皇室全体がポストコロナ社会に向けた政府や人々の動きと反することはできないともお感じになっておられるのでしょう。皇嗣として、陛下のお考えとバランスをとるために、あえて異なるご判断をなさっている節も感じます」(前出・皇室担当記者)
ご兄弟でお力を合わせ、国民の象徴としての務めを果たされていく――。