6月5日、「第71回産経児童出版文化賞」贈賞式に臨まれた佳子さま 画像を見る

英国へご出発になる3日前、天皇陛下は恒例の外国ご訪問に際した記者会見に臨まれた。日英両国のこれまでの交流に関する記者たちとのやり取りに続けて、陛下は国会で行われていた安定的な皇位継承に向けた皇族確保策などについての質問を受け、次のようにお答えになった。

 

「現在、男性皇族の数が減り、高齢化が進んでいること、女性皇族は結婚により皇籍を離脱すること、といった事情により、公的活動を担うことができる皇族は、以前に比べ、減少してきています。これは皇室の将来とも関係する問題ですが、制度に関わる事項について、私から言及することは控えたいと思います」

 

2月のお誕生日に際しての記者会見でも、同様のやり取りがあった。しかし、陛下が抱かれている危機感がより如実に表れていると、宮内庁関係者は語る。

 

「おことばの『言及することは控えたい』という部分が、つけ足しにすぎないと感じられるほど、国会の議論が進まないことに陛下はお悩みになられているように拝察しています。

 

英国ご訪問直前の会見で、“皇室の将来とも関係する問題”と再び言明されたことからも、陛下のご苦悩が伝わってきました。愛子さまをはじめ、佳子さまや女性皇族の将来が決まらないという現状に、もどかしいお気持ちでいらっしゃるはずです」

 

6月23日に会期末を迎えた今国会では、皇族数を確保する方策について議論が進んできた。当初、会期中に皇室典範の改正まで進むとみられていたが、与野党の意見が平行線をたどったまま、なんと合意は見送りとなってしまったのだ。

 

「2021年末に政府が示した『女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持』『旧宮家の男系男子が養子として皇族に復帰』の2案をもとに、5月から衆参両院議長と各党の代表者との協議が始まりました。

 

しかし協議に入ると、各党の論点が定まらず、全体での協議は一時中断。6月中旬に議長らが個別の意見聴取を進めましたが、与野党の主張の隔たりは埋まらなかったのです」(皇室担当記者)

 

神道学者で皇室研究者の高森明勅さんは、こうした与野党協議が見送りとなったことに対して、こう懸念を抱いている。

 

「現状、与野党間で合意にいたらなかったのは、“結婚後も皇室に残った女性皇族の夫と子どもを皇族にするか”という点です。家庭内で皇族と一般の国民が混在する異常さについて国民に理解が広がり、政治の場でも“家族は同じ皇族”との結論で一致することが、問題の解決のためには不可欠です。

 

未婚の女性皇族にとって、人生に大きく直結する問題であり、速やかに解決しなければなりませんが、今国会で合意にいたらず、また先延ばしとなってしまいました。結婚を意識する年齢層にある方々にとっては、残酷な時間が過ぎることになってしまうのです」

 

人生の選択肢に“待った”がかかり続ける女性皇族たち。とくに今年12月に30歳を迎える佳子さまにとって、国会での議論の停滞は“結婚できない”状況が深まってしまうことを意味する。

 

「まず配偶者が皇族になるのかならないのかでは、“お相手が国民の理解を得られる人物なのか”という判断基準も加わります。さらに言えば、自分が皇族になるとなれば女性皇族と結婚することを躊躇する方もいるでしょう。こうした状況が続く限り、佳子さまがご結婚に踏み切れないとお考えになってしまうのは、無理もないことだと思います」(前出・宮内庁関係者)

 

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